こんにちは、紅の鹿です。

本日は、丸亀製麺を運営するトリドールのファンダメンタルズ分析及び今後の成長ストーリーに基づいた株式銘柄分析記事を書きます。

先日のパートナーエージェントの記事に続き今月2本目の「買いどきか否か!?」です。

前回同様、会社紹介は下記の決算説明会資料に代えさせていただきます。時間節約です(笑)

まだ、未読の方は事前に確認されると、トリドールおよび当記事の理解度が深まると思いますよ。
・「2016年3月期決算説明会資料」はこちら↓
http://www.toridoll.com/ir/pdf/ks_160516.pdf




〔分析〕


トリドールは時価総額1,247億円の外食大手であるため、各証券会社やアナリストからたくさんのレポートおよび目標株価が発表されています。よって、いち個人投資家である紅の鹿が分析記事を書く必要があるのかと問われると少し返答に困ります。けれども、書きたい衝動に駆られましたので、可能なかぎり紅の鹿独自の切り口・視点(※紅の鹿がIRに問い合わせしたり、実際の店舗に足を運んで調査した内容など)で書きます。

今回の分析記事では、トリドールの国内店舗の既存店売上高前年同月比(以下、既存店売上高と呼ぶ)に焦点を当てます。
(以下、長文になります。)

なお、現時点(2016年6月10日終値)のトリドールの株価は2,881円、PERは22.3倍、PBRは4.2倍です。(※楽天証券より抜粋)



(1) 既存店売上高と2つの販売施策

トリドールの既存店売上高は2014年8月~2016年5月まで22か月連続増と好調に推移しています。

今期(2017年3月期)は、4月+0.9%、5月+5.3%となっています。

ここで注目したいのは、既存店売上高のハードルです。
前年同月の既存店売上高が高いと今年のハードルは高くなるからです。

前年同月の既存店売上高実績は次のとおりです。

(前期の既存店売上高実績)
4月+16.2%、5月+12.9%、6月+5.7%、7月+11.2%、8月+1.9%、9月+1.2%、10月+3.6%、11月+2.7%、12月+8.0%、1月+9.0%、2月+3.2%、3月+3.2%


1番ハードルが高い月は4月の+16.2%、2番目は5月の+12.9%です。

そのような状況で、4月は前期が+16.2%と1番ハードルが高かったのですが+0.9%を確保。

5月は前期が+12.9%と2番目にハードルが高かったにもかかわらず+5.3%と高い伸びを記録。また、今年の5月は、休日が前年と比べて1日少なかったこと(※休日が1日少なかったことによる曜日特性の影響が▲1.3%程度)や天候不順によって他の外食チェーンの多くが既存店売上高前年割れしているため、トリドールの数字の良さが余計に際立ちます。

5月の既存店売上高が良かった要因のひとつとして、主力業態の丸亀製麺の期間限定メニュー「春のあさりうどん」、「麦とろ牛ぶっかけうどん」、そして後述する「親子丼」の売上が好調であったことが挙げられます。


ところで、会社発表の今期業績予想の既存店売上高前提は+0.6%(上半期±0.0%、下半期+1.2%)です。
よって、4月と5月は会社計画を上回って着地しています。

前述のとおり、4月は既存店売上高のハードルが1番高く、5月は2番目に高いです。
6月以降の残り10か月は4月や5月と比べるとハードルが低いため、6月以降に既存店売上高が前年割れする可能性は極めて低いでしょう。


また、6月以降の既存店売上高を底上げする次の2つの販売施策が実行に移されています。


(a) 丸亀製麺公式アプリを6月2日にリニューアル

今月2日に丸亀製麺公式アプリがリニューアルされました。
 ※詳細はこちら↓
 http://www.toridoll.com/ir/pdf/160602app.pdf

このリニューアルされた公式アプリは、初回ダウンロード特典の釜揚げうどん半額、かしわ天やいなりの無料クーポンがインターネット上で話題となり、早くもApp Storeの無料アプリランキングで上位にランクインするなど人気となっています。

公式アプリが話題になることで、これまで丸亀製麺には行ったことがなかった人や過去に丸亀製麺に行ったことはあるがこの数か月は足が遠のいていた人などが実店舗に足を運ぶきっかけとなり、客数増が期待されます。

実店舗で店員の方に少しだけ話を聞いたところ、ここ最近は目に見えてお客さんの数が増えているとのことで、公式アプリの効果がさっそく表れてきているのかもしれません。

また、会計時に受け取る会計レシートに印刷されたQRコードをスマートフォンで読み込むことで、次回使えるお得なクーポンをさらに無料で獲得することができます。

紅の鹿が実際にQRコードを読み取ったところ下記の「お好きなうどん50円引」クーポンを獲得することができました。

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この仕組みによって、この獲得したクーポンを使うためにまた近いうちに丸亀製麺に行こうかなと思わされるため、リピーター客獲得にもつながりそうです。



(b) 丸亀製麺に「親子丼」を導入

丸亀製麺の一部の店舗限定で販売している「親子丼」。
丸亀製麺で「親子丼」(※単品価格390円)が販売されていることを知らない人もいるのではないでしょうか。

この「親子丼」の試験販売が非常に好調であるため、9月末までに丸亀製麺610店舗、国内の約8割に相当する店舗に「親子丼」を順次導入することが決まりました。

「親子丼」は、導入済みの店舗ですでに売上高構成比10%超えの大ヒットメニューになっています。

トリドールは焼き鳥屋から始まった会社であるため”鶏”には自信があり、満を持しての「親子丼」投入といえるかもしれませんね!(笑)


リサーチをかねて「親子丼」を食べに丸亀製麺あべのキューズモール店、なんば店、千日前店の3店舗を回りましたが、残念ながらこれら3店舗ではまだ販売されていませんでした・・・
ネット上の評判は良いものが目立ちますが、自分の口で判断してみたいです。

「親子丼定食」(※親子丼とぶっかけうどんなどのうどんメニューがひとつ選べるセット)の価格は680円と丸亀製麺のメニューの中では高価格帯であるため、単価アップが期待できます。また、ご飯ものメニューの強化により夜の食事需要の獲得にもつながります。なお、ご飯ものメニュー強化策として一部の店舗で「鶏めし」、「カツ丼」、「海鮮丼」の試験販売もしています。

また、今のところは「親子丼」については実店舗以外ではまったく宣伝をしていないようですが、今後は上記の丸亀製麺公式アプリやTVCMなどで宣伝することによって認知度向上が図られ、さらなる売上増が期待できると考えています。

これから「親子丼」の導入店舗が増えることによって、既存店売上高の増加が期待できますね。


以上、上記の(a)により客数増、上記の(b)により客単価増が期待できるため、6月以降の既存店売上高は好調に推移すると推定できます。

例えば、上記の(a)、(b)の施策、4月・5月よりも低いハードルによって、6月の既存店売上高+10.0%超えはほぼ確実であると考えます。

会社発表の今期業績予想の既存店売上高前提は+0.6%(上半期±0.0%、下半期+1.2%)です。
よって、今期の既存店売上高は会社計画+0.6%を大きく上ブレする数字となるでしょう。




(2) 小麦粉価格の値下げ

丸亀製麺のうどんの麺には、国産の小麦(粉)が使われています。
この小麦粉は、次の画像を見てわかるとおり、日清製粉の小麦粉です。


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 ※あべのキューズモール店の店頭に置いてあった日清製粉の小麦粉の袋


この業務用の日清製粉の小麦粉ですが、輸入小麦の政府売渡価格が4月1日より5銘柄平均で7.1%引き下げられたことに伴い、来月の7月11日出荷分から値下げされることが発表されました。
 ※詳細はこちら↓
 http://www.nisshin.com/company/release/details/pdf/160412.pdf

確認をしたところ、上記の小麦粉値下げに伴うトリドールの仕入価格への影響についての詳細は教えてもらえませんでしたが、実際に7月11日に値下げが実行されるのであれば、トリドールの業績にはプラスの影響(=仕入価格の低下、売上原価の減少)がありそうです。なお、現時点で上記の値下げの影響がどのくらいあるのかが読めないこともあってか、今期の会社業績予想には反映されていないようです。

今後、実際に7月11日出荷分から値下げされることになれば、今年の夏頃から売上原価が減少(=売上総利益は増加)することになるのではないでしょうか。





長くなりましたので、そろそろまとめに入ります。

・上記(1)(a)の丸亀製麺公式アプリの6月2日リニューアルおよび上記(1)(b)の丸亀製麺への「親子丼」導入によって、客数増・客単価増が期待でき、6月以降の既存店売上高は会社予想を上ブレする形で好調に推移すると推定できます。

・上記(2)小麦粉価格の値下げによって、夏頃から売上原価は減少(=売上総利益は増加)すると推定できます。

よって、”既存店売上高の増加”および”売上原価の減少”の両輪により、先月発表されたばかりのトリドールの今期業績予想の上方修正は濃厚と考えます。



なお、トリドールの海外事業については予測することが難しいため、ここでは詳細には触れませんが、前期に黒字化を達成した海外事業が今後、苦戦するようであればネガティブ材料となります。
(その一方、海外事業が予想以上に好調に推移すれば、ポジティブ材料となります。)

あと、今回は紅の鹿推定のトリドールの目標株価は設定しません。
既存店売上高増が続いている間は、短期的な株価の動きを気にせず株式を保有し続けることが良いのではないかと思っているからです。

既存店売上高増が何か月間続くことになるのか、今から楽しみですね。
上記(1)の(a)・(b)の販売施策、また、前年のハードルが高い4月および5月がすでにプラスとなっていることから、今期中(2017年3月まで)は既存店売上高増が続くことは確実といえるでしょう。




「今、トリドールの株式は買いどきか否か!?」

答え合わせは既存店売上高がマイナスになったときに。

なお、くれぐれも株式投資は自己責任でお願いします。