ひさびさに銘柄分析記事「買いどきか否か!?」を書きます。
4月20日にアイスタイルの分析記事(http://cervorosso.blog.jp/archives/1024867962.htmlを書いて以来になります。


本日分析する会社は、大手ドラッグストアチェーンのココカラファインです。

過去に分析記事を書いてきた小型株とは違い、ココカラファインは売上高が3,000億円を超える大企業であることから世間的な知名度が高いこともあり、会社紹介は省略します。



今回の分析記事では7月30日(金)の引け後に発表された第1四半期決算の数字に焦点を当てて分析記事を書きます。

それでははじめに7月30日(金)の引け後に発表されたココカラファインの第1四半期決算を詳しくみてみましょう。
※第1四半期決算短信はこちら
http://www.cocokarafine.co.jp/news/pdf/20150731_TD01.pdf


まずは数字をチェック。(単位:百万円)

・売上高: 93,820 (前年同期比+13.6%)
・営業利益: 2,842 (前年同期比+851.1%)
・経常利益: 3,501 (前年同期比+318.9%)
・四半期純利益: 2,028 (前年同期比+471.0%)


7月29日付の日本経済新聞朝刊に「ココカラファインの第1四半期(4~6月)の営業利益が20億強、経常利益が30億円強であったようだ」と業績観測記事がのっていましたが、それをさらに上回る素晴らしい数字でした。

前年同期(2014年4月~6月)が消費税増税直後の四半期決算にあたるため、前年同期比の伸び率(%)は良くて当然といえますが、例えば、経常利益に焦点を当てると、上期(4月~9月)の会社計画40億円に対して第1四半期(4月~6月)で35億円を計上しており、上期の会社計画40億円に対する進捗率は87.5%に達し、過去5年平均の進捗率56.0%を大きく上回っています

非常に良い数字だと思います。




次に、上記の第1四半期決算から紅の鹿独自の視点で、ココカラファインの今期の通期の業績を推定します。

まず、ココカラファインの過去の決算年度における通期(=第4四半期累計)業績に占める第1四半期の営業利益および経常利益の割合を調べてみましょう。

なお、消費税増税前の駆け込み需要があった2014年3月期は第4四半期の数字が極端に高くなっており、また、消費税増税後の反動減があった2015年3月期は第1四半期の数字が極端に低くなっており、共に異常値のため今回は無視して、その前の2013年3月期や2012年3月期の数字で調べてみます。


(1) 2013年3月期 (単位:百万円)

・通期の営業利益: 8,601
・第1四半期の営業利益: 2,152
・通期に占める第1四半期の営業利益の割合: 25.0%

・通期の経常利益: 13,861
・第1四半期の経常利益: 3,469
・通期に占める第1四半期の経常利益の割合: 25.0%


(2) 2012年3月期 
(単位:百万円)

・通期の営業利益: 8,579
・第1四半期の営業利益: 2,293
・通期に占める第1四半期の営業利益の割合: 26.7%

・通期の経常利益: 13,467
・第1四半期の経常利益: 3,454
・通期に占める第1四半期の経常利益の割合: 25.6%



上記の計算結果から、2013年3月期や2012年3月期では第1四半期だけで通期の営業利益および経常利益の約25%を稼いでいることがわかります。
なお、同業他社のドラッグストアチェーンにおいても同様の傾向がみられます。

よって、第1四半期決算の数字を4倍にした数字が通期決算の数字に近くなると推定できます。


また、賃上げやガソリン価格の下落、電気・ガス料金の引き下げ、地域プレミアム商品券等によって家庭の購買力アップが確実視できる今期の第2四半期~第4四半期は、過去の決算年度よりも上積みが期待できそうですが、とりあえずは保守的に見ることとして今回は加味しないことにします。


それでは、7月30日に発表された2016年3月期の第1四半期決算の数字から、通期決算(推定)の数字を算出してみましょう。


<紅の鹿推定の通期決算の数字(単位:百万円)

・売上高: 93,820 × 4倍 = 375,280
・営業利益: 2,842 × 4倍 = 11,368
・経常利益: 3,501 × 4倍 = 14,004
・純利益: 2,028 × 4倍 = 8,112


会社発表の業績予想は次のとおりです。

・売上高: 360,000
・営業利益: 6,300
・経常利益: 8,500
・純利益: 3,400


紅の鹿推定は、会社業績予想の売上高を+4.2%、営業利益を+80.4%、経常利益を+64.7%、純利益を+138.5%上回ります

また、紅の鹿推定の純利益は上記のとおり8,112百万円前後となり、そのときのEPS(一株あたり利益)は322.69円になります。

7月31日終値は4,650円のため、紅の鹿推定の今期PERは14.41倍です。
(※計算式: 株価4,650円÷322.69円=14.41)




同業他社と呼べる大手ドラッグストアチェーンの今期予想PER(※楽天証券より抜粋。7月31日終値時点。)は次のとおりです。

売上高(今期の会社計画値)が大きい会社の順(※売上高3,000億円以上)に並べています。

・売上高5,100億円 マツモトキヨシホールディングス: 25.17
・売上高4,940億円 サンドラッグ: 24.90
・売上高4,570億円 ウエルシアホールディングス: 33.22
・売上高4,410億円 ツルハホールディングス: 29.05
・売上高4,190億円 コスモス薬品: 27.26
・売上高4,050億円 スギホールディングス: 29.00
・売上高3,752億円 ココカラファイン: 14.41(※紅の鹿推定)


上記の同業他社比較により、売上高が3,000億円を超える、いわゆる大手ドラッグストアチェーンの平均PERは25.0強の水準です。

よって、ココカラファインも同業他社の平均程度は評価されても良いでしょう。

もしもかりに、株式市場でPER25.0倍の評価を受けられれば、ココカラファインの株価は8,067円になります。
(※計算式: 紅の鹿推定EPS322.69円×PER25.0=8,067.25円)





そろそろまとめに入ります。

ココカラファインが同業の大手ドラッグストアチェーン(※売上高3,000億円以上)と同等の評価を受けられれば、ココカラファインの株価は8,067円になります。

ココカラファインの7月31日終値は4,650円のため、株価は+73.48%上昇することになります。


ココカラファインは大手ドラッグストアチェーンであり、同社をカバーしているアナリストが多いことから、今回の第1四半期決算を受けて、証券会社から投資判断の引き上げおよび目標株価の引き上げの発表が近々あるかもしれません。

本日から5日前の7月28日に、SMBC日興証券が投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価を7,000円に引き上げたマツモトキヨシホールディングスの株価が、翌日の29日に前日比+8%高を記録し上場来高値を更新したことが記憶に新しいです。

ココカラファインも、証券会社から投資判断の引き上げおよび目標株価の引き上げによって、マツモトキヨシホールディングスのときと同じように株価が急伸する可能性もありえそうです。




「今、ココカラファインの株式は買いどきか否か!?」

答え合わせは今期の通期業績の実績が確定する本決算発表時(2016年5月)に。

なお、くれぐれも株式投資は自己責任でお願いします。