本日は、「一歩先を行く投資術」という題目で、知っていたらちょっと役立つ投資術をお届けします。なお、このシリーズは1記事完結(読み切り)で不定期更新になります。

今回は、シリーズ第6回目です。
※前回のシリーズ(第5回目)は「一歩先を行く投資術(非適時開示月次売上編)〕」でした。



〔第6回: 新規上場申請のための有価証券報告書編〕

新規上場をする会社が作成する新規上場申請のための有価証券報告書には、上場する会社のさまざまな情報が載っています。

よって、新規上場から1年以内の会社への投資を検討するときには、事前に新規上場申請のための有価証券報告書にひととおり目を通すことで有益な情報を得ることができます。

新規上場申請のための有価証券報告書は、グーグルで「新規上場申請のための有価証券報告書 会社名」を入力して検索すると簡単に探せます。


どのような有益な情報を得ることができるのか、その具体例をひとつ挙げておきます。

今年の6月27日に新規上場したあさくまという会社があります。

あさくまは、先週金曜日の引け後に上場後はじめてとなる決算を発表をしました。

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2020年3月期第1四半期の営業利益は118百万円となり、通期計画の837百万円に対する進捗率は14.1%で着地しました。

決算短信を読んだだけでは、2019年3月期第1四半期の営業利益が書かれていないため、前期と比べて増益になったのか、それとも減益になったのがわからず、今回の決算が良かったのか悪かったのかを判断する材料が不足しています。

しかしながら、あさくまの新規上場申請のための有価証券報告書を読んでみると、過去の四半期の売上高と営業利益が書かれていることに気がつきます。

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2018年3月期は、第1四半期の営業利益242百万円(進捗率28.8%)。
2017年3月期は、第1四半期の営業利益208百万円(進捗率24.0%)。

そのため、過去の傾向から金曜日引け後に発表された2020年3月期第1四半期の営業利益118百万円(進捗率14.1%)は、低調な出足であると推測できます。

また、第4四半期に利益が偏重すると書かれていますので、第3四半期までの進捗率は75%よりも低くなるということもわかります。
例えば、第3四半期時点で進捗率が74%であれば、第4四半期に利益偏重のため、通期上振れ期待が高くなります。
進捗率が75%に届かなかったという理由で株価が下がるのであれば、絶好の買い機会といえるでしょう。

このように最近は進捗率が悪いという理由だけで、決算発表後に株価が下落する傾向が見受けられますので、業績の季節変動を知っておくことは大切です。


今回はあさくまの事例を使いましたが、新規上場申請のための有価証券報告書を読むことで、ほかにもさまざまな有益な情報を得ることができます。

よって、新規上場から1年以内の会社への投資を検討するときには、新規上場申請のための有価証券報告書にひととおり目を通す習慣をつけましょう。

それが、一歩先を行く投資術です。