本日引け後にアパレルチェーンのハニーズホールディングス(以下、ハニーズとする。)が5月の月次売上高を発表しました。

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5月の既存店売上高は+9.7%となり、10か月連続のプラスとなりました。
特に下期が好調で、下期計の既存店売上高は+7.6%で着地しました。

ハニーズが今年の1月8日に公表した2019年5月期第2四半期決算説明会資料の15ページに、下期の既存店売上高計画は+0.4%と書かれていますので、計画+0.4%に対して実績+7.6%と計画を大きく上回る結果となりました。

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それでは次に、ハニーズの2019年5月期の営業利益がどのくらいで着地するのかを推定します。

現時点のハニーズの営業利益計画は3,400百万円です。

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僕は、この営業利益計画3,400万円は非常に保守的で、今後の大幅上振れ着地が確実であると考えます。

その理由は、次の4つです。

(1) 上期の営業利益の上振れ
(2) 3Qの営業利益の上振れ
(3) 4Qの中国事業の赤字縮小
(4) 4Qの既存店売上高実績が計画を上振れ

ひとつずつ説明していきます。
まず(1)の上期の営業利益の上振れについて。

昨年7月に発表されたハニーズの2019年5月期の上期の営業利益計画は1,400百万円、下期の営業利益計画は2,000百万円、通期計画は上期と下期の合計となる3,400百万円でした。

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その一方、上期の営業利益は1,613百万円で着地しました。
そのため、上期では会社計画を213百万円(+15.2%)上振れしました。
しかしながら、例年苦戦を強いられる3Qや稼ぎどきの4Qを控えていることから業績予想は上方修正せずに据え置きました。
よって、上期の営業利益の上振れとして213百万円を上積みできます。



次に、上記(2)の3Qの営業利益の上振れについて。

前述のとおり2019年5月期の下期の営業利益計画は2,000百万円でした。
2018年5月期の下期の営業利益実績は1,415百万円(=3Q実績の▲909百万円と4Q実績の2,324百万円の合計)であるため、下期で前期比+585百万円の増益計画です。

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ところが、2019年5月期の3Q実績は▲94百万円となりました。
2018年5月期の3Q実績▲909百万円から+815百万円の増益です。

前述のとおり、2019年5月期の下期(3Q+4Q)で+585百万円の増益計画であったところ、3Qのみで+815百万円の増益となっており、4Qを待たずに3Q終了時点で計画を+230百万円(※計算式: 815-585=230)上振れしました。

よって、3Qの営業利益の上振れとして230百万円を上積みできます。



続いて、上記(3)の4Qの中国事業の赤字縮小について。

ハニーズが今年の1月8日に公表した2019年5月期第2四半期決算説明会資料の18ページに、中国事業の業績計画が載っています。

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中国事業は赤字続きであったため、撤退することが決まっています。
2019年5月期の中国事業の営業利益は▲400百万円の赤字計画です。

下記の表は、中国事業の四半期ごとの営業損益をまとめたものです。

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2018年5月期と2019年5月期の1Q~3Qは実績、2019年5月期4Qは予想となっています。

2019年5月期の3Q終了時点で、中国事業は▲360百万円の営業損失。
2019年5月期の中国事業の営業損益は▲400百万円の計画であるため、4Qは▲40百万円の営業損失になることが推定できます。
▲40百万円の営業損失になりますが、2018年5月期4Qは▲275百万円の営業損失であったため、前期比では+235百万円の利益増加となります。

よって、中国事業の赤字縮小によって、4Qで235百万円を上積みできます。



最後に、上記(4)の4Qの既存店売上高実績が計画を上振れについて。

4Qの単純平均の既存店売上高は+6.4%となりました。
※計算式:(+7.3%+2.3%+9.7%)÷3=+6.4%

前述のとおり下期の既存店売上高計画は+0.4%であるため、3Qに続いて4Qも計画を大幅に上回る着地となりました。
既存店売上高が計画を上回った3Qの営業利益が計画を超える増益になったことから、4Qも同様に計画を超える増益になると推定できます。

4Qは、年間を通してハニーズの一番稼ぎどきの四半期にあたり、2018年5月期は4Qだけで営業利益の89.4%、2017年5月期は4Qだけで営業利益の76.5%を稼ぎ出しました。

1Q、2Q、3Qと比べて営業利益の金額が大きい4Qの売上高が計画を大きく上回ったことによる増益幅は、+200~+600百万円になると推定します。

よって、4Qの既存店売上高実績が計画を上振れしたことによって、4Qで200百万円~600百万円を上積みできます。


上記(1)~(4)の営業利益の上振れをまとめたものが、次の表です。
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上記(1)~(4)の営業利益の上積みによって、ハニーズの2019年5月期の営業利益は4,278~4,678百万円になると推定できました。

よって、会社の営業利益計画3,400万円を+25.8~+37.6%上振れすることになり、今月中の業績上方修正が濃厚であると考えます。
(過去5年はすべて6月中に業績の修正を発表済み。2018年は6月29日、2017年は6月29日、2016年は6月27日、2015年は6月22日、2014年は6月27日)



もう少しだけ続きます。
これまでは、2019年5月期の営業利益がどのくらいで着地するのかを推定しましたが、次は2020年5月期の営業利益を推定します。

前述のとおり、2019年5月期の中国事業の営業利益は▲400百万円の赤字計画でした。
しかしながら、2019年5月期中に中国からの撤退が完了して、2020年5月期には赤字がなくなります。
つまり、2020年5月期は営業利益400百万円がまるまる上乗せされることになります。

中国事業以外の事業が2019年5月期並みという前提の場合、2020年5月期の営業利益は、2019年5月期の営業利益4,278百万円~4,678百万円に+400百万円加算した数字になります。

よって、2020年5月期の営業利益は4,678~5,078百万円になると推定できます。
ハニーズの国内事業の法人実行税率は約35%のため、純利益は4,678~5,078×(1-0.35)=3,040~3,300百万円になります。EPSは109~118円です。

現在の株価は958円のため、2020年5月期(推定)PERは8.1~8.8倍になります。

ハニーズは無借金、好財務の会社です。
アパレル会社でPER8倍台 & PBR0.8倍台は割安であるといえるでしょう。


また、ハニーズは中国事業からの撤退により、2020年5月期から新たな中期経営計画を実行に移す予定となっています。
来月の2019年5月期本決算発表時に、新たな中期経営計画が発表される可能性は高いでしょう。
また、これからは中国事業への投資(=赤字)がなくなり資金に余裕が生まれるため、増配や自社株買いなど株主還元の強化が発表されるかもしれません。