今日の昼に決算の数字を使って客観的な視点でペッパーフードサービスの2018年12月期決算の分析記事を書きました。

続いて、ペッパーフードサービスの今期業績予想についての見解を書きます。
これらについては将来の話であり、確定した数字ではありませんので客観的な視点のみで書くことは難しく、どうしてもペッパーフードサービスの株主である僕の希望的観測が含まれてしまっているということを前提でお読みください。
よって、同社株を空売りをしている方や同社について快く思っていない方は、気分を害されるでしょうから、ここで読むのをやめてください。







それでは、本題に入ります。

まず2019年12月期の業績計画について。
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上記画像のとおり、前期比で売上高+47.3%、営業利益+44.8%の大幅増収増益計画となっています。
この業績計画は大風呂敷を広げた過大な数字なのでしょうか、それとも妥当な数字なんでしょうか、それとも保守的なものでしょうか。

残念ながら現時点では計画の詳細(セグメント別の売上・利益計画、既存店売上高計画など)が記載された決算説明会資料が開示されていないため、細かな数字の精査はできません。

けれども、僕はこの業績計画は決して過大なものではなく、妥当な数字であると考えます。
まず、売上高についてですが、2018年に出店した店舗が通期フル寄与すること、2019年も210店舗の新規出店が計画されていること、1月と2月の新規出店が順調に進んでいる、直近の月次売上高の推移などから判断すると大きく下振れするようなことにはならないでしょう。

次に営業利益。
営業利益の前期比+44.8%という数字は一見すると4割増という大幅増益に見えますが、実態は違います。

ここで注目していただきたいのが、連結決算と個別決算です。
ペッパーフードサービスは米国でいきなりステーキ出店・運営を行う100%出資子会社Kuni's Corporationを設立したため、2017年12月期から連結決算に移行しました。

つまり、連結決算からKuni's Corporationの決算数字を差し引いた決算数字が個別決算になります。
(連結決算-Kuni's Corporation=個別決算)

それでは、連結決算と個別決算を比較しながら2018年12月期決算をみてみましょう。

・連結決算
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・個別決算
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前述のとおり、連結決算と個別決算の差がKuni's Corporationの業績になります。

例えば、2017年12月期ではKuni's Corporationの売上高は36,229-35,926=303、営業利益は2,298-2,616=▲318。2018年12月期も同様に計算してまとめてみると次の通りです。
(Kuni's Corporationの業績)
・2017年12月期
 売上高  303百万円
 営業利益  ▲318百万円
・2018年12月期
 売上高  859百万円
 営業利益  ▲921百万円

米国いきなりステーキは新規出店によって売上高は伸びていましたが、営業利益は損失が拡大。1年で921百万円もの赤字を出すことになり、これが米国いきなりステーキの撤退・縮小の決め手になりました。もし、このまま営業を続けていれば、2019年は10億円(1,000百万円)を超える損失を出すことになりかねません。よって、撤退・縮小はやむをえない、むしろ正しい経営判断といえるでしょう。


次に連結決算と個別決算を比較しながら2019年12月期業績計画をみてみましょう。

・連結決算
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・個別決算
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前述のとおり、連結決算と個別決算の差がKuni's Corporationの業績になります。
2019年12月期ではKuni's Corporationの売上高は93,562-92,311=1,251、営業利益は5,594-6,083=▲489。

(Kuni's Corporationの業績)
・2019年12月期
 売上高  1,251百万円
 営業利益  ▲489百万円

計画では赤字は2018年の▲921百万円から▲489百万円へと減るものです。
推測にはなりますが、米国いきなりステーキの大不振店の閉鎖を決めたことが赤字縮小の大きな要因と考えられます。売上高が伸びる予想になっているのは、残した店と業態変更する店、さらに新規出店する米国ペッパーランチの売上を加味していると考えられます。
Kuni's Corporationの業績については、2018年で大きな赤字を出して大不振店を閉鎖するなどしましたので、▲489百万円の赤字が再び大きく膨らむということは考えにくいでしょう。

次に2019年12月期の個別決算を見ていましょう。

個別決算では、売上高92,311百万円(前期比+47.3%)、経常利益6,083百万円(前期比+26.8%)という計画になっています。
(※「営業利益=経常利益」と考えて問題ありませんので、以後は、経常利益6,083百万円ではなく営業利益6,083百万円と書きます。)

ここで注目してほしいのは、連結決算と個別決算の営業利益の伸び率です。

・連結決算
 営業利益 5,594百万円(前期比+44.8%)
・個別決算
 営業利益 6,083百万円(前期比+26.8%)

連結決算では前期比+44.8%という高い伸び率ですが、個別決算では+26.8%となっていて、個別決算が連結決算よりも伸び率が低くなっています
この違いの理由が、2018年のKuni's Corporationの大幅赤字です。2018年にKuni's Corporationが921百万円という大きな赤字を出したために、2018年の連結決算では営業利益が押し下げられたため、2019年では+44.8%という大きな伸び率になっています
その一方、個別決算では2018年にKuni's Corporationによる利益押し下げがないため、2019年の伸び率が+26.8%と低くなっています。

2019年の個別決算では、売上高が+47.3%伸びる計画のため、営業利益が売上高の伸び率と同じぐらい伸びてもおかしくはありません
それなのに+26.8%と売上高の伸びよりも低い数字を出してきていることから、2019年にさらなる国内いきなりステーキの新規出店を進めていくことによってカニバリが起きて、1店舗当たりの利益率が落ちることをある程度は計画に織り込んでいると推定できます。

以上をまとめますと、Kuni's Corporationを除いた事業(国内ペッパーランチ、中国・アジアのペッパーランチ、国内レストラン、国内いきなりステーキ)は、前期比で売上高+47.3%、営業利益+26.8%の計画です。

僕の見解では、2019年12月期の業績計画は決して過大なものではなく、ある程度妥当な数字であると考えます。