今月14日にペッパーフードサービスが運営するいきなりステーキの12月度の月次売上高を予想した記事を書きましたが、力及ばずで予想を外してしまいました。
反省しています。

そのため、予想を外したことを認めたツイートをして以降、いきなりステーキについての発言は避けていました。
しかしながら、その間に著名な個人投資家のブログやツイッター、またYahoo!ファイナンス掲示板であまりにも真実とかけ離れた見当はずれな内容を目にする機会が増えたことで、僕が知っている範囲ではありますが、正しいことを書いておこうと思い直しました。

まずはじめに、ネット上に掲載されているいきなりステーキの既存店引き継ぎオーナー募集の内容をみて、「業績不振で前FCオーナーが手放した店である」とか、「ロイヤリティが3%→6%に上がっている。他のFC本部と比べて搾取の度合がひどい」とかいうようなネガティブな情報が出回っています。
しかしながら、この指摘は間違いです。

これは、もともと同社で「いきなり社長システム」と呼ばれていて、いきなりステーキの社員が独立してFCオーナーになるシステムを外販用に作り直したものです。

「いきなり社長システム」は好評で、このシステムの利用により、すでにいきなりステーキ直営店の30店舗以上が直営店からFC店になっています。
FCオーナーになった元ペッパーフードサービス社員は、自分の頑張りで売上が伸びれば収入が増えるためヤル気が増し、売上が伸びればFC本部(=ペッパーフードサービス)の収入も増えるというWin-Winの関係です。
このシステムでFC店を1店舗だけでなく2店舗、3店舗と増やしている元社員も出てきています。

ロイヤリティが3%→6%に増えている理由は、毎月35万円の収入(給料)がもらえるからで、店舗引き継ぎオーナー(=元社員)の収入はこの最低保証35万円+店舗の営業利益の一定比率となります。
そのため、通常のFC募集とはロイヤリティの割合が違っています。

よって、ペッパーフードサービスのファンダメンタルズ分析を行う上では、いきなりステーキ事業で、FC本部とFCオーナーがWin-Winの関係となる「いきなり社長システム」で直営店をFC店に転換することを進めていて、実際に直営店30店舗以上がFC店に転換されたことを知っておく必要があります。


次に、いきなりステーキの12月度の月次売上について。
下図のとおり、12月度の既存店売上高は前年比86.2%と前年割れしました。
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この86.2%という数字が過去最低の数字であったために、いきなりステーキの不振が声を上げて騒ぎ立てられ、さらに空売り勢の参入と株価の先行きに疑心暗鬼となった株主の投げ売りが重なって、ペッパーフードサービスの株価は、月次発表前の3,040円からわずか4営業日で2,674円(本日終値)まで大幅下落しました。

しかしながら、86.2%という表面の数字だけを見ているだけでは今後の業績見通しを見誤ってしまいます。

いきなりステーキの12月の月次が良くなかった理由のひとつに、12月3日からいきなりステーキ61店舗の営業時間を短縮したマイナス影響が含まれていることを考慮する必要があります。
また、IR情報(NEWS)で掲載されていませんが、いきなりステーキ曾根崎新地店のように11月1日から営業時間を短縮した店舗もあります。

営業時間が短くなれば、月次売上の数字が悪くなるのは当然のことです。
その一方、パートアルバイトの人件費、経費の削減や従業員の労働環境の向上につながるという利点があります。

ここで、「営業時間短縮が月次売上に与えるマイナス影響は数ポイント程度であって、もしも営業時間の短縮がなかったとしてもせいぜい12月の月次売上は90%前後でしょう。悪い数字であることにかわりはなくて、いきなりステーキの不振は疑いようがない」という声があるかもしれません。

しかしながら、その点も過度な心配は不要です。
国内のいきなりステーキ事業は不振どころか、今なお成長していると言えるからです。

その根拠が、2018年12月期3Qのいきなりステーキ事業のセグメント利益です。

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ペッパーフードサービスの国内いきなりステーキの既存店売上は2018年12月期3Q(7〜9月)に90%前後となり、2Q以前と比べて大幅に悪化したにもかかわらず、2018年12月期3Qのいきなりステーキ事業のセグメント営業利益は、四半期最高益となる1,366百万円で着地しました。
そして、営業利益率は前四半期8.2%→9.3%へ1.1ポイント改善
既存店売上高が苦戦していたのに利益率は向上しました。

2018年12月期4Q(10~12月)の既存店月次売上も3Q同様90%前後となっていますが、3Qでは前期から営業利益率が改善したので、4Qも同様の改善が期待できます。

営業利益率改善の理由のひとつが、前述の「いきなり社長システム」による直営店からFC店への転換です。
なぜなら、フランチャイズ展開している外食チェーン(FC本部)は、総店舗数に占めるFC店数の割合が増えると利益率が向上するからです。

また、個人投資家の飲食投資家Eさんからいただいた意見ですが、ステーキ用の肉をカットする社員のカット技術が向上して、カットミスが減ることで牛肉の無駄遣いが減って原価率が改善して利益が増えたという理由もあるかもしれません。
このカットミスした肉は単価を下げて乱切りカットステーキというメニューで提供されています。
僕が数日前にランチタイムに店舗に行ったときは売り切れてなかったのですが、カットミスが減ったことが原因かもしれません。
そして、12月からの営業時間短縮も利益率改善につながります。

以上をまとめますと、
2018年12月期3Q時点までの決算数字をみたかぎりでは、いきなりステーキ事業は不振どころかさらに拡大していることがわかります。
また、来月発表される4Qについても、3Qの既存店売上高と営業利益率改善の関係性から推定するかぎりでは、いきなりステーキ事業は引き続き順調に成長していることが予想できます。

結局のところ、今現在ペッパーフードサービスの株価が大きく下落している原因は、既存店売上悪化を理由とした業績鈍化懸念や疑心暗鬼、空売りなどです。

けれども、来月14日の本決算で3Qに続き4Qにおいても、いきなりステーキ事業が引き続き好調に推移していることが確認できれば、一転して株価が上昇する可能性は高いと考えています。今は空売り勢が多いですからね。

そもそも、ペッパーフードサービスの2018年12月期の業績は、2Q累計時点で営業利益が期首計画1,242百万円から249百万円(計画比+20.0%)上振れとなる1,491百万円で着地しています。
通期計画4,033百万円は据置のまま上方修正していませんので、2Q累計時点で営業利益249百万円分の貯金があります。
そして、3Qでは前述のとおり既存店売上は伸び悩んでいますが、いきなりステーキ事業の売上拡大と営業利益率の改善は進んでいて順調です。
この数字をもってして、なぜ不振、大苦戦、果てには赤字などと言われているのかが僕にはまったくもって理解できません。

すべては来月14日の決算発表で明らかになるでしょう。