2か月前の10月4日に当ブログ記事で取り上げたマネジメントソリューションズ(MSOL)が金曜日引け後に本決算を発表しました。

まずはじめに、今回の本決算の結果を反映させた決算期別の売上・利益の推移表(キタゾエアンドカンパニーを除いた決算期別の売上・利益の推移表を含む)を見てみましょう。
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表の見方は10月4日のブログ記事内で説明したので、今回は省略します。

キタゾエアンドカンパニーを除いた前期(2018年10月期)は、最終的に売上高+33.8%、営業利益+121.9%の大幅増収増益で着地しました。
素晴らしい数字ですね。

今回、当ブログで取り上げたい内容は、会社が発表した今期(2019年10月期)の業績予想です。

この業績予想は妥当なもの?
それとも、過大感があり?
あるいは、保守的すぎる?

結論から申し上げますと、保守的すぎる業績予想であると考えます。
特に、今期の営業利益予想が保守的であると考えます。

上記の表のオレンジ色の箇所に注目してほしいのですが、前期の営業利益率は11.1%、今期の営業利益率予想も11.1%と同じです。

利益率が前期と同じ11.1%というは、一見すると妥当であると思ってしまいがちですが、少し掘り下げてみると保守的すぎると気がつきます。

その理由のひとつが、前期に発生した一時的な費用(=1回かぎりの費用)です。

前期は、2月の本社事務所移転に伴う一時的な費用が26百万円発生しました。
また、3Qまでに上場準備費用33百万円が発生しました。
合計で59百万円。
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(※上記画像のとおり東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせにも一時的な費用であることが書かれています。)

今年2月に地代家賃が3倍以上となる事務所に引っ越したことから今期に2年連続となる本社事務所移転を行うことはなく、また無事上場できたために上場準備費用はかかりません。
よって、この一時的な費用59百万円は今期には発生しないため、今期は59百万円分だけ利益が増えることになります。

前期の決算からこの一時的な費用59百万円を除くと、前期の営業利益は324+59=383百万円となり、営業利益率は13.1%となります。
この営業利益率13.1%が、一時的な費用を除いた実質的な本業の営業利益率です。
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よって、今期の営業利益率は13.1%が期待でき、営業利益は上記の(C)・(D)図のとおり500百万円になります。EPSは189.7円です。

ただ、これはあくまでも下限ラインと考えます。
なぜならば、営業利益率が改善する理由が他にもあるからです。

それは、コンサルタントの売上単価と稼働率の上昇によるコンサルタント一人当たり売上高の上昇売上高販管費率の低下です。

マネジメントソリューションズは、前期4Q(2018年8~10月)の営業利益が会社計画を大きく上振れしました。

下記の画像のとおり、3Q累計(2017年11月~2018年7月)までの9か月間では、営業利益が計画を14百万円(※計算式159-145=14)上振れて進捗していました。
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しかしながら、下記の画像のとおり4Q累計(2017年11月~2018年10月)の12か月間では、営業利益が計画を73百万円上振れしました。
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もともと3Q累計までに発生していた一時的な費用(本社事務所移転費用、上場準備費用)が4Qでは発生しないことや高単価案件の受注が見込まれていたことから4Q(2018年8~10月)計画は売上736百万円、営業利益106百万円、営業利益率14.4%となっていましたが、3Q累計時点では14百万円の上振れだったのに、4Q累計では73百万円の大幅上振れ着地。
つまり、4Q(2018年8~10月)だけで営業利益が計画を59百万円も上振れしました。わずか3か月で59百万円の上振れ幅というのはとても大きいです。
その証拠に4Q(2018年8~10月)の営業利益率は当初計画14.1%から6.4ポイント改善されて20.5%へと跳ね上がりました。営業利益率20%超えです。

当初計画よりも営業利益が上振れした理由のひとつは、コンサルタントの売上単価と稼働率の上昇によるコンサルタント一人当たり売上高の上昇です。

通常、コンサルタント一人当たりの売上高が上昇しても、それが即時にコンサルタント一人当たり人件費(=売上原価)の上昇にはつながりません。売上原価が増えないため、一人当たり売上高の上昇分の大部分が同社の利益となり、利益率が改善します。

さらに、コンサルタントの採用が前倒しで進み、コンサルタントの数が増えて売上高が増えました。コンサルタントの数が増えても、2月に引っ越しした事務所家賃などの販管費は増収率ほどには増えないため、売上高販管費率が下がり、営業利益率が改善します。

よって、前期と同様に今期もコンサルタントの売上単価と稼働率の上昇によるコンサルタント一人当たり売上高の上昇と売上高販管費率の低下が進むことが予想されるため、今期の営業利益率は前期の営業利益率よりも高くなると推定できます。


長くなりましたので、そろそろまとめに入ります。

(1) 今期は、前期に発生した一時的な費用が消滅するため、下限ラインとして営業利益率13.1%が期待できる
(2) 前期と同様に今期もコンサルタントの売上単価と稼働率の上昇によるコンサルタント一人当たり売上高の上昇と売上高販管費率の低下が進むことが予想されるため、今期の営業利益率は前期の営業利益率よりも高くなることが期待できる

よって、会社予想の営業利益率11.1%(営業利益423百万円)は保守的な数字であると考えます。


最後になりますが、現時点で僕が考えるマネジメントソリューションズの目標株価を書いておきます。

会社予想の今期売上高+30%は、前期の実績等から少し保守的と考えて、前期並み(※キタゾエアンドカンパニーを除いた増収率)の+33.8%と予想します。
営業利益率は上記(1)・(2)の理由により、上記(1)13.1%に上記(2)+1.0~+2.0ポイント程度の利益率改善と考えて14.5%とします。

その結果、今期のマネジメントソリューションズの売上高は3,903百万円(前期比+33.8%)、営業利益率14.5%、営業利益565百万円(前期比+74.3%)、EPS214円と算出できました。

これから2~3年は、年率売上高+30%以上、営業利益+30%以上の成長が期待できることからPER30.0倍の評価を受けられれば、株価はEPS214円×PER30.0倍=6,420円になります。

現時点で僕が考えるマネジメントソリューションズの目標株価は、6,420円です。
株価(2018年12月14日終値)は3,755円のため、株価+70%の上昇が期待できます。
もちろん、前回の10月4日の記事に書いたように、長期的にはテンバガー(※時価総額500億円超え)を狙える可能性があると考えています。




※以下は余談です。読み飛ばしていただいても問題ありません。

会社四季報に”M&Aによる事業多角化にらむ”との記載があることから、実際にM&Aを実行に移すことになれば、M&A手数料などの一時的な費用が発生することになります。しかしながら、同社の規模やビジネスモデルを考慮すると大型のM&Aに踏み切ることは考えにくく、かかる費用も数千万円が限度と考えられるため、営業利益を大きく押し下げることにはならないでしょう。また、M&Aに関連する費用はあくまでも一時的な費用です。

また、11月20日に中国子会社を設立したことから、海外展開で先行投資が発生して赤字が出るという考えをお持ちかもしれません。けれども、はじめのうちは国内の顧客企業のすでに中国に進出している日系企業(中国子会社)を中心に営業をおこなうため、進出前から一定数の需要が見込める状況です。また、製造業のように設備投資は必要ありませんし、外食・小売りチェーンのように店舗設営や物流チェーンの構築の必要もありませんので、先行投資費用はほとんどありません。また、3年前の2015年11月に設立した台湾子会社(MSOL台湾)はすでに黒字化しています。よって、海外への事業展開で赤字が膨らんでいくということは考えにくいです。

今月20日に上場後はじめてとなる機関投資家及びアナリスト向けの本決算説明会が開催される予定です。マネジメントソリューションズは上場して日が浅く、時価総額も50億円前後と小さいかったため、現時点では機関投資家の買いはまったくないと考えられます。今後も業績の拡大が続いていけば、中小型成長株に投資する投資信託への組み入れが進むことなどが期待され、株価の上昇につながると考えています。
過去1年の投資リターンが非常に好調な「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン(経営者が実質的な大株主にあたるオーナー企業に投資する国内小型グロース株ファンド)」が好みそうな会社だと思います。北原淳平ファンドマネージャー、ぜひご検討ください(笑)