決算シーズンで時間があまり取れず分析記事と呼ぶには内容が薄いかもしれませんが、ツイッターでの反響がそこそこ大きかったので、ワークマンの関する記事を書きました。ちょっと偏った視点、まとまりのない内容になっているかもしれません。

(参考文献1)「ワークマン」がオシャレになれた本当の理由
(参考文献2)ワークマンが高機能ウェア専門店「WORKMAN Plus」の2、3号店を11月に出店
(参考文献3)ワークマン2017年12月21日ニュースリリース
(参考文献4)2018年3月期決算説明会資料
(参考文献5)2018年3月期決算説明会補足資料



(1)  同社は2025年にワークマン店舗数1000店舗を目標に掲げている。
(2)  現在のワークマン1店舗の年間売上は約1億円。
(3)  ワークマン1店舗の既存店売上高を、カジュアルウェア強化と法人向け売上強化で1.5倍となる1.5億円まで引き上げる目標を掲げている。
(4) ワークマンプラスはこれから数年で100店舗(売上200億円)を目指す。ワークマンプラス1店舗の年間売上(目標)は2億円。

~ 7年後の2025年3月期のワークマン ~
上記(1),(3)が達成されていた場合、ワークマンのチェーン全店売上は1,500億円。(=1000店舗×1.5億円)
例えば、ワークマン既存店売上高1.5倍は、マスコミ効果で大幅な売上伸長が期待できる今期および来期は+12.0%と大幅な伸び、マスコミ効果が一段落するであろう2021年3月期以降の5期は毎期+4.0%の伸びで2025年3月期に達成できる数字です。

また、ワークマンプラスは3~4年で100店舗、7年で200店舗の出店はできると考えます。そのとき、ワークマンプラスのチェーン全店年間売上は400億円。

よって、ワークマンとワークマンプラスの合計でチェーン全店売上は1900億円となります。

ここで、ワークマンのFC比率85%のビジネスモデルとして、「チェーン全店売上=会社の売上高」とはならないことに注目する必要があります。

・2018年3月期のチェーン全店売上:797億円
・2018年3月期の売上高(営業総収入):560億円

過去5期の数字を調べてみると、チェーン全店売上の約70%が会社の売上高となっています。

ワークマンプラスについてもワークマンと同レベルの採算性のメドがついた後は、店舗の運営をフランチャイズ化する予定とのことで、ワークマンプラスについても、同様に70%が会社の売上高となります。そのため、例えば、ワークマンプラスのチェーン全店売上高が100億円となっても、会社の売上高は100×70%=70億円。

以上の結果、2025年3月期の同社の売上高は「チェーン全店売上1900億円×70%=1,330億円」になると推定できます。

次に、2025年3月期の同社の営業利益率。
過去5期の数字を調べてみると、年平均で+0.6ポイントの営業利益率の改善が進んでいます。今期と来期はマスコミ効果で既存店売上が+12%と大幅な伸びが期待できると予想して改善率は+2.0ポイント、2021年3月期以降はマスコミ効果が落ち着くと予想して過去5期と同様、+0.6ポイントと予想します。
その結果、2025年3月期の営業利益率は「2018年3月期の営業利益率18.9%+2.0+2.0+0.6+0.6+0.6+0.6+0.6=25.9%」となります。

以上をまとめると、2025年3月期の売上高は1,330億円、営業利益率25.9%、営業利益344億円。EPSは624円。
PER20倍の評価で株価は12,480円、PER25倍の評価で株価は15,600円。
現在の株価が7,360円のため、7年後に株価が約2倍になります。

7年で株価が2倍。
さらにこの数字は、既存店売上高が今期と来期+12%増えて、その後も5期連続で+4%増える、さらに営業利益率も今期と来期+2.0ポイント改善されて、その後も5期連続で+0.6ポイント改善されるという前提です。既存店売上高を毎期伸ばし続けて利益率も毎期改善されるというのは現実的にはなかなか難易度が高いです。
よって、保守的な数字ではないと考えます。

7年で株価2倍。
思いのほか、株価が伸びない印象です。

その原因は、次の3つと考えます。
(A) 店舗数が飽和状態
(B) 営業利益率が高すぎる
(C) 時価総額が大きすぎる

(A)について。
ワークマンの1000店舗達成の目標は、当初より遅れていて後ろ倒しとなっています。計画未達からわかるようにワークマンはすでに国内では飽和状態で出店余地がほとんど残っていません。また、ワークマンプラスに期待が高まりますが、日本国内のショッピングセンターの数やワークマンとのカニバリゼーションを避けると、200店舗程度が出店の限度ではないでしょうか。
ユニクロの国内店舗数が約830店舗、しまむらの国内店舗数が約1400店舗で、2社ともに新規出店数がほとんどないことから、ワークマンについても新規出店加速はあまり期待できません。新規出店が伸びないと売上高が伸びないので、株価を大きく上げるためには利益率の改善が必要となってきます。

(B)について。
ワークマンの2018年3月期の営業利益率は18.9%と高利益率です。しかしながら、高い利益率はときに仇となります。例えば、営業利益3.5%の会社が営業利益率を7.0%まで改善させるとEPSは2倍になります。しかしながら、営業利益率18.9%を25.0%まで改善させたとしてもEPSは32%しか増えません。また、アパレルチェーンで営業利益率が20%を超える会社はほとんど見かけないことから、営業利益率の改善にも限界があります。

(C)について。
ワークマンは知名度が低めですが、株式時価総額は大きいです。
日本のアパレルチェーンの時価総額は、大きい順に
・ファーストリテイリング: 61,151億円
・しまむら: 3,484億円
・ワークマン: 3,011億円
・青山商事: 1,949億円

ファーストリテイリングは中国と東南アジアを中心とした海外事業の成長期待があるため、時価総額は飛びぬけています。
ただ、ワークマンのように国内でのみ商売しているアパレルチェーンでは、しまむらがトップで、ワークマンはもう少しでしまむらを抜くところまできています。
ワークマンプラスの盛況ぶりを、いきなりステーキ1号店を出店した当時のペッパーフードサービスとその後の株価大化けになぞる声があるかもしれませんが、すでにしまむらと同水準まで大きくなった時価総額を考慮すると、これから株価が倍々ゲームで増えていく可能性は低いでしょう。国内だけの成長では時価総額に限界があります。
ワークマンが海外進出すればファーストリテイリングのようにまだまだ大きくなれると思われるかもしれませんが、日本のアパレルが海外で成功することは非常に難しく、また、ワークマンの現在のビジネスモデルでは海外進出は厳しいといわざるをえません。

以上、まとまりがつかないままですが、このあたりで終わります。

なお、ワークマンプラスが連日マスコミやSNSで取り上げられ、一躍脚光を浴びました。しばらくの間は月次売上高も良い数字をたたき出すでしょう。
こういう状況では、業績やファンダ関係なく株価は上がり続ける場合があります。
よって、モメンタム投資で買うのは全然アリだと思います。