本日引け後にイオンおよびマックスバリュなどイオングループ子会社がスーパーマーケット事業の統合を発表しました。

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この発表を見て、感の鋭い当ブログの読者の方は、先月11日に僕が当ブログで書いた「株主優待先回り投資法とイオングループ食品小売業の上場会社8社」の記事を思い出されたかもしれません。

実は、今回のスーパーマーケット事業の統合が発表されることは先月11日にブログ記事を書いたときにすでに想定していました。
個人的には今日ではなく12月に発表されるのではないかと予想していたので、発表が2か月早かったかなという感じです。

それでは本題に入りますが、
今回のイオンおよびマックスバリュなどイオングループ子会社のスーパーマーケット事業統合が、イオングループ食品小売業の上場子会社8社の株価にどのような影響を与えるのか、僕の見解を書きます。


結論から述べますと、
明日以降、イオングループ食品小売業の上場子会社8社の株価は短期的には下落するかもしれないが、その後は上昇する
その後の上昇については、具体的には、株式移転に係る割当て(=株式移転比率)が確定する日に向けて株価は上昇すると考えます。


その理由は、主に次の4つからです。
(1)  株主優待投資家による株式売却
(2) マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の3社の経営統合時の株価の推移
(3) 「月刊 激流 2018年10月号」の記事
(4)  経営統合効果による業績拡大

上記(1)について。
統合完了予定日は一番早くても2019年3月となっているため、一見すれば2019年2月の株主優待権利日に影響はなさそうです。
また、統合後も優待の中身は変わるでしょうが、何らかの株主優待は継続されるでしょうし、東北エリアや中四国エリアのように上場会社1社と非上場会社が統合するケースでは、統合前と統合後に大きな変更はありません。北海道エリアや東海中部エリアのように上場会社2社が合併するケースでは、2社が1社になるから両社の株式を100株ずつ保有していた場合、統合後に200株となって半分の100株が売られるのではと考えがちですが、実際には統合比率が1.0:0.6などと異なることになるため、統合後に200株とはならず160株などとなるため、半分の100株が売られるということはありません。
けれども、2020年以降の株主優待について不透明な部分があるため、明日以降、すでに各社の株式を保有している株主優待投資家による株式売却が一定数は発生すると予想できることから、短期的には株価は下落しそうです。


上記(2)について。
首都圏におけるイオン食品小売業子会社であったマルエツ(上場)、カスミ(上場)、マックスバリュ関東(非上場)が2014年5月19日に「首都圏におけるスーパーマーケット連合の創設に関する合意」(以下、発表Aとする。)を発表しました。
その5か月後の2014年10月31日に、「マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東及びイオンと丸紅による共同持ち株会社(株式移転)に関する経営統合契約書の締結並びに事業会社3社による株式移転計画書の作成について」(以下、発表Bとする。)が発表されました。

発表Aは、本日付のイオンおよびマックスバリュなどイオングループ子会社のスーパーマーケット事業の統合のお知らせと同じような内容のものです。
その一方、発表Bでは、統合時の株式移転比率(株式割当比率)が発表されました。株式移転比率は、「マルエツ:カスミ:マックスバリュ関東=0.51株、1株、300株」でした。
そして、発表A日から発表B日までの株価推移と株価騰落率を算出してみますと、下記のとおりとなりました。
比較する株価は、発表Aは5月19日の朝にニュースで知れ渡ったために前日終値(5月16日終値)と発表Bの翌日(11月4日)の始値です。

〔マルエツ〕
・2014年5月16日終値: 335円
・2014年11月4日始値: 541円
・上記期間の株価騰落率: +61.5%

〔カスミ〕
・2014年5月16日終値: 698円
・2014年11月4日始値: 1,050円
・上記期間の株価騰落率: +50.4%

〔マックスバリュ関東〕
・非上場のため株価なし。

マルエツ、カスミの2社共に、統合が発表された日以降から統合時の株式移転比率(株式割当比率)が発表される日にまでの間に株価が+50%以上上昇しました。
よって、統合時の株式移転比率(株式割当比率)が発表される日に向けて株価が上昇する傾向があるといえます。


上記(3)について。
月刊 激流 2018年10月号」は、イオンの異次元改革・巨大流通集団変革の道筋を特集(17ページ~48ページ)していますが、その特集の中の25ページの記事(イオン執行役副社長の若生氏のインタビュー記事)の一部を以下に抜粋します。

ー上場企業同士の合併は難しいという指摘もあります。
(若生)それはどういう観点でしょうね。私どもは必ずしも難しいとは思っていませんが。
ー統合によって株主が不利益を被る。例えば、DSのザ・ビッグを切り離せば、売り上げが減るわけで、株主は反対するという見方です。
(若生)再編の具体的な絵姿を今語れる状況にはないんですが、基本的にどうなるか、今の株主さんに期待を持っていただけるものになればいいのだと思う。だけどそれがよくわからないものであれば、当然ご不満は出ます。株主さんのご支持が得られないような絵姿を描くわけにはいかない。ご納得いただけるような形にしていきたい。

ここで注目していただきたいは、”株主さんのご支持が得られないような絵姿を描くわけにはいかない。ご納得いただけるような形にしていきたい。”という発言です。
今日発表されたスーパーマーケット事業の統合では、上場会社と非上場の統合やDS(ディスカウントストア)のザ・ビッグの切り離しなどが含まれているため、株式移転比率(株式割当比率)を決めるだけでも大変な作業となります。
しかしながら、上記の発言のとおり、株主の支持・納得を得られるような形にしていきたいということなので、上場会社については現時点の株価よりも高い株価水準になるように株式移転比率を決める可能性が高いといえます。


上記(4)について。
本日の発表に書いてあるとおり、6エリアの会社が統合後の2025年に営業収益3.1兆円(2018年2月期比130%)、営業利益1,100億円(同280%)を目標に掲げて取り組むとのことで、経営統合による規模拡大、物流改革、重複コストの削減により業績拡大が期待できます。
業績拡大は株価上昇につながりますし、業績拡大を先取りする形で株価が上昇する可能性は高いといえます。


そろそろまとめに入ります。
上記(1)の理由により、株価は短期的に下落する可能性があります。
しかしながら、上記(2)~(4)の理由により株価は上昇する可能性が高いと考えます。
よって、明日以降、イオングループ食品小売業の上場子会社8社の株価は、短期的には下落するかもしれませんが、その後は株式移転比率(株式割当比率)発表日に向けて上昇していくと考えています。