これまで何度か書いてきましたが、僕の優位性がある投資手法のひとつに「月次売上投資法」があります。

小売チェーンや外食チェーンが毎月発表する月次売上の数字、具体的には前年同月比に注目して、月次売上が良ければ次の四半期決算で良い業績が期待できると推測して、先回りして株式を購入するのが一般的です。

最近のワークマンの株価上昇は、月次売上投資法で説明できます。
(僕はワークマンの株を買えていないです・・・、月次が良いのは知っていたのだけれど・・・)

そのため、月次売上投資法と聞くと、ある一定水準以上のファンダ分析能力が必要な投資法だよね、と認識している人がほとんどではないでしょうか。

しかしながら、ファンダ分析能力がほとんどなくても使える月次売上投資法もあります。

次の一覧表は、ヨシックスの過去2期の月次既存店売上高前年同月比、月次発表日、月次発表日翌日の株価(終値)とその期間の株価騰落率をまとめたものです。

yosix2018
yosix2019

なんらかの規則性があることに気づきませんか。

わかりやすいように色をつけましたが、注目してほしいところは黄色と桃色の月です。

まず黄色の月です。
黄色の月は、既存店売上高が前月は前年割れしていたが、当月はプラスになった月です。
過去2期では5回該当月がありましたが、株価騰落率(=月次発表日株価と月次発表翌日株価を比較)はすべての月でプラスとなっています。
期待値がプラスのリターンです。
例えば、2019年3月期の5月は既存店売上高が97.4と前年割れしていましたが、6月は101.3とプラスになっています。6月の株価騰落率(=月次発表日株価と月次発表翌日株価を比較)は+6.7%とプラスでした。

同様に桃色の月は、既存店売上高が前月は前年プラスだったが、当月は前年割れになった月です。
過去2期では6回該当月がありましたが、株価騰落率(=月次発表日株価と月次発表翌日株価を比較)はすべての月でマイナスとなっています。
期待値がマイナスのリターンです。
例えば、2019年3月期の6月は既存店売上高が101.3と前年プラスでしたが、7月は94.6と前年割れです。株価騰落率(=月次発表日株価と月次発表翌日株価を比較)は▲9.8%とマイナスでした。

黄色の月で期待値がプラス、桃色の月で期待値がマイナスとなる原因のひとつが、AIのアルゴリズム取引です。
既存店売上高がプラスに転換、または既存店売上高がマイナスに転換という材料に注目したAIのアルゴリズム取引が、株価に一方的な方向性を与えているのではないかと考えられます。

この規則性を活かして株式売買を行うことも月次投資法のひとつと言えますね。
この場合、ファンダ分析ができなくてもまったく問題ありません。
毎月の月次売上高がプラスになるか、それともマイナスになるかがわかるようになれば良いのです。

それではもう少し具体的にみてみましょう。

ヨシックスは、2019年3月期の8月の既存店売上高を9/13前後に発表します。
(現時点では未発表)

前月(7月)の既存店売上高は94.6と前年割れしているため、8月の既存店売上高がプラスになれば、上記の黄色の月のパターンに該当します。
黄色の月のパターンでは、株価騰落率(=月次発表日株価と月次発表翌日株価を比較)の期待値がプラスです。

よって、8月の既存店売上高がプラスになると高い確率で推測できるのであれば、月次発表日にヨシックスの株式を購入して、月次発表翌日に株式を売却するとキャピタルゲインを得ることができる可能性が非常に高くなります。

それでは、8月の既存店売上高がプラスになる確率はどのくらいなのでしょうか。80%!?、50%!?、20%!?

僕の推測になりますが、8月の既存店売上高がプラスになる可能性は95%です。
高すぎると感じる人がいるかもしれません。
けれども、あてずっぽうではありません。
根拠があります。

その根拠は、主に次の2つです。

(1) 居酒屋の稼ぎどき曜日は、金・土・祝日の前日です。今年の8月はお盆休みを除いた金・土・祝日の前日の数が前年より1日多いという追い風がある。

(2) 現時点で既に公表されている同業の居酒屋チェーンの8月の既存店売上高が軒並みプラスとなっている。串カツ田中109.7、きちり102.1、コロワイド100.7、JFLAホールディングス(旧アスラポート・ダイニング)101.5。
(鳥貴族は94.4と前年割れだがここのところ既存店売上が悪い月が続き、一人負け状態の会社なので無視してもよい。)

上記の2つの理由から、ヨシックスの8月の既存店売上高がプラスになる可能性は95%と導き出しました。
前月(7月)の既存店売上高は94.6と前年割れしているため、8月の既存店売上高がプラスになれば、上記の黄色の月のパターンに該当します。
黄色の月のパターンでは、株価騰落率(=月次発表日株価と月次発表翌日株価を比較)の期待値がプラスです。

今月の結果はどうなるのでしょうか。
はたして・・・


一口に「月次売上投資法」と言っても、ファンダ分析に基づく月次投資法、今回のように規則性(月次売上のプラス・マイナス)に基づいた月次投資法など切り口は複数あります。