先月はメルカリをはじめ、IPOする会社の数が多く活況を呈しました。

IPOした直後は株価が乱高下することがお決まりとなっていますが、ほとんどの銘柄は、数日、1週間、2週間と時間が経過するにつれて出来高は減っていき、値動きが乏しくなります。

僕のこれまでの経験および分析データから導き出した、IPO後に株価が上がるのか、下がるのかを決める第一の要素は、IPO後に初めて迎える四半期決算でIPO時に開示した決算予想を上振れ着地できるのか、はたまた未達になるのかです。

第二の要素はIPO時の決算期の翌期の業績予想が、IPO時の決算期の増収率・増益率を上回る増収率・増益率になるのか、はたまた下回るのかです。

したがって、IPO後に株価が右肩上がりに上昇する銘柄とは、
(1)IPO後に初めて迎える四半期決算でIPO時に開示した決算予想を上振れ着地する
(2)翌期の業績予想の伸び率がIPO時の決算期より良い。

今回数多くある直近IPOの中で、株価が右肩上がりに上昇する条件を満たしそうな会社をひとつ挙げてみると、コーア商事ホールディングス(※以下、コーア商事とする)です。

まず、条件(1)についてですが、コーア商事の前期(2018年6月期)はすでに3Qまで終了して、4Qを残すだけですが4Qの半分以上が過ぎた5月21日に上場した関係で、4Qの実績が業績予想(数値の積み上げ)と比べて大きくかい離するととは考えにくいです。その一方、為替レートが保守的な予想となっていて、すでに4~6月の為替レートは、会社予想より円高で着地しているため、円高恩恵の同社にとっては、為替レートによる業績の上振れが期待できます。よって、IPO後に初めて迎える四半期決算である前期(2018年6月期)本決算では業績の上振れ着地が濃厚です。条件(1)を満たします。

次は条件(2)についてです。
コーア商事は、原薬販売事業と医薬品製造販売事業の2つの事業を行っています。

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主力事業は原薬販売事業です。

ここでの注目したいのは、医薬品製造販売事業です。
セグメント営業利益は前々期(2017年6月期)▲340百万円、前期(2018年6月期)3Q累計で▲210百万円、4Q累計予想で▲146百万円と赤字です。
この赤字は、蔵王工場立ち上げ後に医薬品の承認許可が1年半おりず収入がなく、ようやく今年の1月からスタートしたことによるものです。これから月日かけて様々なラインを稼働させていき、まずは10月にシリンジラインがすべて完成し、その後はバイアルとうかん、バイアル液のラインなどの稼働を目指しています。

ストックボイスの社長インタビュー(https://www.youtube.com/watch?v=wp8TlQz_2q8)で、社長が「今期(2019年6月期)には医薬品製造販売事業は黒字となる」と答えていますので、今期(2019年6月期)の医薬品製造販売事業は赤字から一転して黒字となることから、同社の今期(2019年6月期)営業利益は、前期と比べて大幅増益となりそうです。よって、前期の減益決算(予想)が一転して今期(2019年6月期)は大幅増益となり、条件(2)を満たします。

詳細に見てみますと、医薬品製造販売事業の営業利益は前々期(2017年6月期)▲340百万円、前期(2018年6月期)3Q累計で▲210百万円、4Q累計予想で▲146百万円。ラインの稼働が進んでおり、赤字は縮小。4Q単体(予想)では210-146=64百万円の黒字です。
よって、今期(2019年6月期)では、単純計算で下限として64×4=256百万円の利益が見込まれ、さらに10月にはシリンジラインが全面稼働する予定のため、あくまでもざっくりな予想になりますが、300百万円の営業利益は期待できると考えます。

そうなると、今期(2019年6月期)のコーア商事の原薬販売事業の営業利益が前期(予想)と同水準である1,508百万円になると予想したとき、医薬品製造販売事業は300百万円となり、コーア商事の今期(2019年6月期)の営業利益は約1,800百万円になると推定できます。

前期(2018年6月期)の営業利益予想は1,322百万円のため、今から約1か月後に公表される今期(2019年6月期)の営業利益(予想)は前期比+36.1%の大幅増益予想となります。前期が減益で今期は大幅増益(予想)となれば、株価が大きく上昇する可能性は高そうです。

営業利益1,800百万円、今後の為替レートの動きは読めないので現在と同水準、法人税率35%のとき、純利益は1,170百万円。現在の株価水準であれば、PERは一桁台です。なお、コーア商事は卸売業だからPERは一桁でも割高ではないという考えもありますが、通常、卸売業の営業利益率は1%~5%のところ同社の営業利益率は10%前後ありますので、通常の卸売業と同じくくりではみてはいけないでしょう。今後は蔵王工場で製造部門の強化を図り、下記のインタビューのとおり製造販売事業の拡大を目指しています。

ストックボイスの社長インタビューより。
「最終的に4年後には、原薬販売事業と医薬品製造販売の利益が拮抗するという形にもっていきたいという見通しをもっている」とのことで、4年後に、安定的な事業である原薬販売事業の営業利益が前期(2018年6月期)予想の1,508百万円と同じ数字になると仮定すると、医薬品製造事業の営業利益は1,508百万円前後となり、4年後のコーア商事の営業利益は3,000百万円になります。


最後になりますが、コーア商事は初値4,000円、現在(6月29日終値)の株価3,125円であり、東証2部新規上場初値買い投資法で購入された方はわずか1週間で▲21.9%の含み損を抱えてしまっていますが、希望を失うには早すぎです。

1か月後の4Q決算(本決算)と今期業績予想の発表、そして1年後の東証1部への鞍替え期待、さらに4年後の「原薬販売事業と医薬品製造販売の利益が拮抗するという形」の事業拡大という明るい材料が待っています。