こんにちは、紅の鹿です。

本日は、「一歩先を行く投資術」という題目で、株式投資初心者向けに、知っていたらちょっと役立つ投資術をお届けします。なお、このシリーズは1記事完結(読み切り)で不定期更新になります。

今回は、2014年7月以来、約2年ぶりとなるシリーズ第3回目です。

それでは、業績連動型有償ストック・オプション編のスタートです。




〔第3回: 業績連動型有償ストック・オプション編〕


会社の長期的な業績拡大および企業価値の増大を目指すにあたり、会社で働く取締役および従業員の意欲・士気を向上させ、また経営参画に対する意識を高めることを目的に、取締役および従業員に対して有償にて新株予約権(有償ストック・オプション)が発行されるときがあります。

この有償ストック・オプションの中で、取締役および従業員が有償ストック・オプションを行使できる条件に業績目標を設定したものを、業績連動型有償ストック・オプションと呼びます。


ひとつ例を挙げます。

先月24日にパートナーエージェントが発表した業績連動型有償ストック・オプションを行使できる条件(※業績目標)は、次のとおりです。

平成29年3月期から平成31年3月期の3事業年度における各期の営業利益を合計した額が、
(a) 20億円を超過した場合→50%行使できる
(b) 22億円を超過した場合→100%行使できる


※同社の業績連動型有償ストック・オプションの詳細を知りたい方は下記をご参照ください。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1375090



パートナーエージェントの平成29年3月期の営業利益(会社予想)は4.86億円です。
例えば、平成30年3月期の営業利益が平成29年3月期比+20%成長すると仮定すると、平成30年3月期の営業利益(推定)は5.83億円になります。

したがって、平成29年3月期の営業利益が会社予想どおりの4.86億円で着地、平成30年3月期の営業利益が平成29年3月期比+20%成長の5.83億円で着地すると仮定すると、平成31年3月期の営業利益が9.31億円を超過した場合に3事業年度合計の営業利益が20億円を超過することになり、上記(a)の条件を達成します。

同様に平成31年3月期の営業利益が11.31億円を超過した場合に3事業年度合計の営業利益が22億円を超過することになり、上記(b)の条件を達成します。



最近は、中期経営計画を公表する会社が増えてきました。
中期経営計画の内容をチェックして、投資する際の判断材料にしている個人投資家の方は多いと思われます。

しかしながら、上記の事例であげたパートナーエージェントは中期経営計画を公表していません。

けれども、上記の業績連動型有償ストック・オプションを行使できる条件をチェックすることによって、中期経営計画の一部として置き換えることができます

また、業績連動型有償ストック・オプションは、業績目標達成時に取締役および従業員にストック・オプションという形で金銭的な恩恵がもたらされることから、達成できる可能性がそこそこ高い数字になっていると考えられます。
なぜなら、はじめから達成が困難な条件であれば、取締役および従業員の意欲が高まることはなく、ストック・オプションを発行する意味がないからです。
(大風呂敷を広げることができる中期経営計画よりも業績連動型有償ストック・オプションの方が数字の信頼度は高いといえるのではないでしょうか。)


よって、上記のパートナーエージェントの場合は、ストック・オプションを100%行使することができる3事業年度合計の営業利益22億円超過が現実的な業績計画といえるでしょう。


・パートナーエージェントの中期経営計画(=業績連動型有償ストック・オプション100%行使の条件)

平成29年3月期 営業利益(会社予想): 4.86億円
平成30年3月期 営業利益(推定): 5.83億円
平成31年3月期 営業利益(推定): 11.31億円
※3事業年度の営業利益合計は22億円(計算式: 4.86+5.83+11.31)



少し蛇足にはなりますが、先月4日の当記事「パートナーエージェントの株式は買いどきか否か!?」の中で、紅の鹿推定のパートナーエージェントの平成31年3月期の経常利益は11.07億円と書きました。
※パートナーエージェントは営業利益と経常利益の額がほとんど同じであるため、紅の鹿推定の営業利益は経常利益と同額です。

(平成31年3月期の営業利益予想)
・業績連動型有償ストック・オプション100%行使の条件: 11.31億円
・銘柄分析記事「買いどきか否か!?」紅の鹿推定: 11.07億円

したがって、「買いどきか否か!?」紅の鹿推定は、まんざらでもないですね。




(総括)

業績連動型有償ストック・オプションを行使できる条件を確認することによって、中期経営計画の一部として置き換えることができます。

そこで、日頃から業績連動型有償ストック・オプションの行使の条件を確認する習慣をつける。

それが、一歩先を行く投資術です。