こんばんは、紅の鹿です。

本日は、今年に入ってから株価、業績ともに絶好調のラオックスについての分析記事を書きます。
(※なお、以下の記事には紅の鹿の主観が大いに入っていることをあらかじめご理解ください。)




〔Part1: 訪日外国人客編〕


ラオックスは、家電量販店老舗ですが、現在は家電にとどまらず時計、化粧品、医薬品、食品、雑貨など免税品を中心に販売する店舗を首都圏を中心に全国展開している会社です。

経営不振から2009年に中国の大手家電量販店チェーンの蘇寧電器の子会社に。

今月12日に発表された2014年12月期第3四半期決算では、売上高が前年同期比42%増の330億円、経常利益が9億6,300万円の黒字(※前期は21億0,300万円の赤字)となり、業績はV字回復中。

2014年12月期に14年ぶりの最終黒字に転換する見通しです。

訪日外国人客の増加円安による訪日客の購買力の高まり新店の出店効果による売上増の3つの要因によって、国内店舗事業の業績拡大が続いています。


東証2部上場。時価総額約1,140億円。株価208円(11月14日終値)。PER160.00(※楽天証券より抜粋)。





それでは、まずはじめにラオックスの好業績を支えている訪日外国人客についてみていきます。


日本政府観光局によると、今年1~9月の訪日外国人客数は973万人と前年同期比26%増えました。
直近の7~9月期の訪日外国人客数は348万人で、前年同期比25.3%増えています。

また、観光庁によると、外国人一人当たりの日本滞在中の支出額は、今年7~9月期は平均15万8,257円で、前年同期比12.7%増えました。

この結果、7~9月期では、前年同期比41.2%増の経済効果がもたらされました。

よって、訪日外国人客を相手に商売をしている会社にとっては、売上高が前年同期比で41.2%増えていても当然な結果と言えます。


ここで大切な点は、訪日外国人客数の増加だけでなく、外国人一人当たりの旅行支出額(=購買力)も考慮する必要があるということです。


日本政府が東京オリンピックが開催される2020年までに訪日外国人客数を2,000万人に増やすという目標を掲げていることから、訪日外国人客数については新聞、テレビ、ネットなどで目にすることも多いでしょうが、目にする機会がほとんどない外国人一人当たりの旅行支出額も同様に大切な指標です。

かりに訪日外国人客数が8%増えたとしても、外国人一人当たりの支出額が10%減少していた場合、訪日外国人客を相手に商売をしている会社にとっては、マイナスの結果になってしまいますからね。

「”訪日外国人客の増減率” × ”外国人一人当たり旅行支出額の増減率”」

に注目しないと見誤ってしまいます。




次に訪日外国人客を国別にみてみます。

日本には世界中のさまざまな国の人が来ます。

よって、上記の「”訪日外国人客の増減率” × ”外国人一人当たり旅行支出額の増減率”」を国別にみる必要があります。


ラオックスは、中国の大手家電量販店チェーンの蘇寧電器の子会社ということもあって、同社の国内店舗事業の売上の大部分は中国のお客さんの買い物によるものです。

そこで、訪日中国客に焦点を当てます。

次の図表をみてください。

2014-11-16-17-32-33

(※上記の画像は、「観光庁の観光統計(平成26年10月31日)」より抜粋したもの)


まず、前述したとおり7~9月期の訪日外国人客(全国籍・地域)の一人当たり旅行支出は前年同期比12.7%増、訪日外国人客数(全国籍・地域)は前年同期比25.3%増となっています。そして、それらを乗算した訪日外国人旅行消費額(全国籍・地域)は前年同期比41.2%増えています。


そして、上記図表の赤文字訪日中国客の7~9月期の数字です。

訪日中国客は、一人当たり旅行支出が前年同期比18.7%増、訪日中国客数が前年同期比70.4%増となっています。そして、それらを乗算した訪日中国客旅行消費額は前年同期比102.3%増えています。


訪日中国客の旅行消費額は、前年同期比で約2倍!!


そして、訪日中国客の旅行消費額は、韓国の3.5倍、台湾の2倍、米国の4.7倍の規模です。

他の国よりも飛び抜けていますね。
※例えば、韓国の場合は旅行消費額は5.3%増と去年と比べてほとんど変わっていません。


つまり、購買力が断トツの訪日中国客をいかに取り込めるかが日本の小売店にとって一番大事なことになります。
言い方はあまり良くないですが、中国以外の訪日客は二の次と言ってもいいでしょう。


なお、上記の数字により、訪日中国客を相手に商売している会社は、去年と比べて売上高が2倍に増えていてもそれで普通です。2倍未満であれば訪日中国客の取り込みに失敗しているといえますね。



続編の記事にて詳細を書く予定ですが、
ラオックスの7~9月期の国内店舗事業セグメントの売上高は、前年同期比2.4倍となっています。

7~9月期の訪日中国客の旅行消費額が約2倍になった恩恵をうまく取り込んでいるといえそうです。


さらにこの勢いは加速しています。

驚くべきことに、10月の国内店舗事業セグメントの売上高は、前年同月比3.0倍を記録しています。


・免税品中心の量販店のラオックスは1日~28日までの国内売上高が3倍になった。対象拡大の化粧品、医薬品、食品は4倍近くとなり「免税の対象となる5千円超の金額まで買い増す人が増えている」(同社)。

(上記の黄色の蛍光ペンを塗っている箇所は、2014年10月31日の日経MJの記事からの抜粋になります。)


10月1日から始まった免税品対象拡大(※化粧品、食料品、医薬品などが追加された)の認知度向上や、10月31日に日銀の追加緩和が発表され円安が急速に進んだことで訪日客の購買力は11月1日以降は一段と高まることから、11月以降の同社の国内売上高は、前年同月比3倍となった10月以上に堅調に推移すると推測できます。




最後に少し話が逸れてしまいましたが、Part1の訪日外国人客編をまとめます。

旅行消費額(=購買力)が他の国より飛び抜けて高い訪日中国客の「一人当たり旅行支出額」、「訪日外客数」の今後の動向が、ラオックスの今後の業績に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。


極論を言えば、訪日中国客数が2倍に増えれば、ラオックスの売上高は2倍以上に増えます(笑)

昨年日本を訪れた訪日中国客数は130万人。今年はこのままのペースでいくと200万人に達するでしょう。
中国13億人の人口を考慮すると、来年以降日本を訪れる中国人は300万人、500万人、そして1,000万人以上に増えていくことも現実的にありえる話だと思いませんか。



※続きの「完結編」はこちら↓
http://cervorosso.blog.jp/archives/1019565302.html