こんにちは、紅の鹿です。


さて、昨日に書き始めた「ダイヤモンドダイニングの株式は買いどきか否か!?」の記事の続き(完結編)を書きます。

初めて当記事を目にされた方は、まずすぐ下にあるリンクをたどって過去記事を読まれることをおススメします。

※ブログ過去記事「ダイヤモンドダイニングの株式は買いどきか否か!?(会社紹介編)」は、こちら↓
 http://cervorosso.blog.jp/archives/1009262684.html



〔Part2: 完結編〕


会社紹介編では、ダイヤモンドダイニングの次の7つの特徴・強みについて書きました。
(1) 松村厚久社長
(2) 首都圏へのドミナント出店
(3) DDマイルによる集客及び顧客の囲い込み
(4) バグースを中心としたアミューズメント事業の展開
(5) 100店舗100業態(個店主義)からハイブリットマルチブランド企業へ
(6) 海外展開の強化
(7) 九州熱中屋(&ゴールデンマジックの山本勇太社長)


今回の完結編では、ダイヤモンドダイニングの今期の業績(紅の鹿の独自予想)成長ストーリーについて焦点を当てます。

はじめに、6月27日に発表されたダイヤモンドダイニングの第1四半期決算を振り返りたいと思います。
(なお、決算発表2日前の6月25日に業績予想の上方修正が発表されています。)


まずは数字をチェック!!


売上高: 6,376百万円 (前年同期比1.3%増
営業利益: 406百万円 (前年同期比68.3%増
経常利益: 393百万円 (前年同期比53.7%増
四半期純利益: 194百万円 (前年同期比69.3%増
四半期EPS: 82.1円
営業利益率: 6.3% (※前年同期は3.8%)


売上の増加および利益率の改善(前年同期比+2.5%)により、純利益が約1.7倍になりました。
消費税増税の影響はまったくなかったと言ってもよく、素晴らしい内容だと思います。

外食に対する期待が価値志向へシフトしていることもあり、比較的高価格帯の居酒屋を展開している同社の既存店売上高が前年を上回り好調に推移しました。

また、会社紹介編で書いた飲食事業で退店15店舗、業態変更41店舗という痛みを伴う大改革が終わったこと、高収益の「熱中屋」の業績への寄与割合が大きくなってきたこと等が利益率の改善につながったと推測されます。


そして、上記の第1四半期(3~5月)の売上高、営業利益、経常利益、純利益は、上場来過去最高を記録しました。


半信半疑の方がいらっしゃるかもしれませんので、下記の直近5年間の決算短信の数字を使って四半期毎の売上・利益の推移をまとめた表を見ていただければ一目瞭然です。
※下記の表をクリックすると大きく表示されて見やすくなります。それでも少し見ずらいかも・・・


DD四半期推移


よって、上場来最高の売上高及び利益を記録した今回の第1四半期決算は非常に良い決算であったと言っても過言ではないでしょう。


また、会社の通期の業績予想は次のとおりとなっています。
(決算発表2日前の6月25日に発表された業績予想の上方修正後の数字です。)


売上高: 25,858百万円 (前年比4.4%増
営業利益: 899百万円 (前年比26.0%増
経常利益: 815百万円 (前年比4.8%増
純利益: 268百万円 (前年比58.9%増
EPS: 113.46円 (前年比58.9%増
営業利益率: 3.5% (※前期は2.8%)


上記の通期の業績予想は、非常に保守的だと思います。

判断材料のひとつとして挙げると、第1四半期決算終了時点で通期の営業利益計画に対する進捗率は45%で、純利益計画に対する進捗率は72%です。



ここで、再度、上記の過去5年間の四半期毎の売上・利益の推移表を見てください

四半期毎の売上・利益にばらつきがあることに気づきましたか。


実は、ダイヤモンドダイニングの業績は、毎年、第4四半期(12月~2月)が飛び抜けて良いのです。

第4四半期の業績が良い理由は、忘年会・新年会シーズンに居酒屋の利用客(特に団体客)が増えることによるものです。また、ビリヤード・ダーツ・カラオケなどのアミューズメント事業も2次会・3次会での利用が増えます。


過去5年の実績から、第4四半期だけで、第1四半期の約2倍の営業利益を稼いでいることがわかります。

<過去5年の傾向>
2014年2月期: 2.1倍(※513÷241)
2013年2月期: 2.3倍(※418÷183)
2012年2月期: 第1四半期が赤字(※東日本大震災の発生が赤字の原因)のため計算不可(※647÷▲93)
2011年2月期: 1.9倍(※427÷221)
2010年2月期: 2.2倍(※553÷237)


よって、上記の傾向から、かりに第2四半期(6~8月)及び第3四半期(9~11月)の営業利益がゼロの場合、今期の営業利益は、406百万円+(406百万円×2倍)=1,218百万円になると推定できます。

会社の通期の営業利益予想を35%上回る数字になりますね。
また、先日発売されたばかりの最新版の会社四季報の営業利益予想を22%上回る数字です。

ただし、これはあくまでも最低限の数字です。

なぜなら、第2四半期(6~8月)と第3四半期(9~11月)の合計の営業利益がゼロになる可能性は限りなくゼロに近いと考えているからです。



ここで、再度、上記の過去5年間の四半期毎の売上・利益の推移表を見てください

推移表の中の、各年度の第2四半期と第3四半期の営業利益の合計を抜粋すると次のとおりになります。

<過去5年の傾向>
2014年2月期: ▲41(※第2四半期31+第3四半期▲72)
2013年2月期: 90(※101+▲11)
2012年2月期: 337(※236+101)
2011年2月期: 138(※113+25)
2010年2月期: 391(※210+181)


2013年2月期と、赤字になっている2014年2月期は、会社紹介編にも書きましたが、痛みを伴う大規模な業態変更及び退店という大改革が行われた期間にあたるため、売上高の低迷、業態変更及び退店にともなう解約違約金や原状回復費用等の支払手数料の増加、業態変更した店舗の改装費、販促費の積み増し等により、利益面では苦戦したのでしょう。

しかし、その痛みを伴う大改革が終了して、低収益業態・赤字業態から「熱中屋」を中心とした高収益業態への転換が進んだ今期の第2四半期と第3四半期の営業利益が、直近2年のように大きく落ち込むことはないだろうと考えています。

なお、今期の第2四半期には、会社紹介編で書いた8月にハワイ州ワイキキに新規出店した超大型店の出店イニシャル費用(※同社の2015年2月期第1四半期決算説明資料によると▲80百万円)が重たくのしかかってくる点を考慮しなければなりません。

けれども、高収益業態への転換が進んでいること、月次の売上が好調に推移していて今後も大きく落ち込むことはなさそうなことから、保守的にみても第2四半期と第3四半期の合計で150百万円は稼げるのではないかと推定します。



以上の推定をまとめると、

今期の営業利益(紅の鹿の独自推定)は、

「406(※第1四半期)+150(※第2四半期・第3四半期合計)+(406×2倍)(※第4四半期)=1,368百万円」

となり、営業利益(推定)は約1,370百万円になります。


前期に計上していた負ののれん代償却(営業外収益)が今期からなくなるため、経常利益はおおよそ「営業利益-100百万円」になると推定されるため、経常利益(推定)は約1,270百万円になります。



次に税引前利益を算出しなければなりませんが、ここで考慮しなければならないものが減損損失(特別損失)です。

ダイヤモンドダイニングは店舗ごとに減損会計を適用しており、減損損失は、主に店舗の収益性が低下した場合(=業態変更)や退店の意思決定をした場合に計上しています。

過去5年の減損損失の金額、退店及び業態変更店舗数は次のとおりです。

<過去5年の減損損失(単位:百万円)
2014年2月期: 305(※退店19店舗、業態変更41店舗)
2013年2月期: 465(※退店12店舗、業態変更21店舗)
2012年2月期: 430(※退店13店舗、業態変更18店舗)
2011年2月期: 94(※退店0店舗、業態変更8店舗)
2010年2月期: 76(※退店1店舗、業態変更8店舗)


前期(2014年2月期)の決算短信の記載によると、今期の退店計画数は8店舗を予定。
8店舗中3店舗が前期に退店の意思決定をし、前期に減損損失を計上済残りの5店舗は、定期借家契約の満了によるものと書かれています。

今期の上半期(3~8月)終了時点では、退店3店舗(※3月に1店舗、4月に1店舗、5月に1店舗)、業態変更1店舗(※8月)となっており、おおむね当初の計画どおりに進んでいると思われます。

また、前期までおこなった大改革により、収益性の低下した店舗の業態変更または退店はほとんど完了しています。

よって、今期は、直近3年(2012年2月期~2014年2月期)に計上したような400百万円前後の減損損失が発生することはないと考えてよいでしょう。

そこで、今期は、減損損失は150百万円以内で収まると推定します。


その結果、税引前利益(推定)は約1,120百万円になります。
※計算式:「経常利益1,270-減損損失150=1,120百万円」


税引後の当期純利益(推定)は約612百万円
※計算式:「税引前利益1,120-法人税等((税引前利益1,120+減損損失150※減損損失は損金不算入のため加算)×税率40%)=612百万円」

(ダイヤモンドダイニングが上場来過去最高益を記録した2010年2月期の当期純利益が692百万円のため、最高益更新が手の届く水準に。)

EPS(推定)は258円になります。

株式市場で同業他社と同程度のPER17.5の評価を受けられれば、株価は4,515円(時価総額109億円)になりますね。
※計算式:EPS258円×PER17.5=4,515円


ところで、先日、当ブログのコメント欄に「ダイヤモンドダイニングの目標株価を教えてほしい」との書き込みがありましたので、2015年2月期本決算が発表される2015年4月中旬時点の目標株価を4,515円とさせていただきます。

現在の株価(9月12日終値)が2,296円のため、これから約7か月間保有することで株価約2倍が期待できるという分析結果になりました。

はたしてそのとおりになるのでしょうか。これからのお楽しみ~(笑)




次に、ダイヤモンドダイニングの成長ストーリーについて触れておきます。

同社の成長ストーリーは次の2つから構成されます。

(1) 「熱中屋」を主体とした高収益業態の積極出店
(2) 海外事業の強化及びM&A戦略



まず上記(1)については会社紹介編でも書きましたが、

来年度中(2016年2月期中)に、「熱中屋」の関東1都3県の100店舗体制確立のために直営店及びFC店の積極的な出店が進みます。その後も、関西で数十店舗規模のドミナント出店が計画されています。

よって、「熱中屋」を主体とした高収益業態の積極出店が続くことから、国内飲食事業については、2017年2月期までの成長ストーリーに揺るぎはないと考えています。



もう一方、上記(2)の海外事業の強化及びM&A戦略。
こちらについては、一言でいうと「諸刃の剣」です。

例えば、会社紹介編でも書きましたが、今年の8月に、ホノルルのワイキキショッピングプラザにモダンメキシカン&スカイバー(店舗名:Buho Conina by Cantina)を新規出店しています。340坪(280席)の超大型店舗で、年商8億円が目標です。

この超大型店舗が大コケするようなことになれば、投資金額が大きいだけに業績への悪影響は大きくなるでしょう。そして米国(ハワイ州)展開の抜本的な見直しにもつながるかもしれません。

その反面、大繁盛店になれば、儲けの額も大きくなるため、同社の業績に良い影響を及ぼします。
そして、ハワイ州だけでなく、米国本土への再進出も視野に入ってくるでしょう。


アジア圏への出店戦略も同様です。
今年4月にM&Aで買収したラーメンダイニング6店舗を足掛かりにASEAN諸国へ出店を進める計画ですが、うまくいくのかどうかは現時点ではわかりません。


このように、海外事業については、成長ストーリーが描きにくいのが現状です。

ただし、国内にとどまっているだけでは、いずれ成長が鈍化してしまうため、積極的に海外へ打ってでる姿勢は評価したいです。国内事業が好調なときであれば、失敗しても損失はカバーできますし。

また、海外展開を進めることで、新たな発想・アイデアを手に入れたり、優秀な人材の確保につながる可能性もあります。




最後に株主還元について。


2014-09-15-10-55-02

(※上記の画像は、同社の2015年2月期第1四半期決算説明資料より抜粋)


ダイヤモンドダイニングは、上記のとおり株主優待制度を設けています。
(※上記の表の右側の”変更後”(ピンク色)の箇所が、今年の4月に発表された優待制度の一部拡充後の内容になります。)

・株価2,296円(※9月12日終値)
・年間配当金25円
・株主優待6,000円相当

よって、100株保有の場合、優待を加算した実質配当利回りは3.7%となります。

まずまずの利回りといえそうです。

なお、上記の決算説明資料の中には、「今後においては、増配と充実した優待制度を株主様へご提案してまいります。」と書かれてますので、株主還元のさらなる拡充に期待しましょう。


個人的には、これから国内外での積極的な新規店舗出店やM&A戦略を進める上で内部留保の充実が最優先と考えているため、増配は求めないですね。


その代わりに、株主優待制度のさらなる拡充を期待したいところ。

例えば、
・現在、年1回実施している株主優待を年2回の実施に増やす。
・継続して株式を保有する株主にはDDマイルを加算する(※例えば、1年以上継続保有で1,000マイル加算、2年以上継続保有で2,000マイル加算、3年以上継続保有で3,000マイル加算)。

そうすると優待を加算した実質配当利回りが高くなりますので、最近増えてきている株主優待好きの個人投資家の新規株式購入、株式継続保有期間の向上にもつながるでしょう。




長くなりましたが、以上でダイヤモンドダイニングの会社紹介および分析を終わります。


「今、ダイヤモンドダイニングの株式は買いどきか否か!?」

答え合わせは7か月後に。

なお、くれぐれも株式投資は自己責任でお願いします。