こんばんは、紅の鹿です。

本日は、紅の鹿のポートフォリオのウェイトが最下位(笑)のダイヤモンドダイニングの会社紹介と分析をしてみたいと思います。

まずはじめにダイヤモンドダイニングのことをご存知ない方のために、会社紹介から始めます。
(※なお、以下の記事には紅の鹿の主観が大いに入っていることをあらかじめご理解ください。)

以下、長文になります。



〔Part1: 会社紹介編〕


ダイヤモンドダイニングは、主に首都圏で居酒屋を中心とするコンセプトレストランを展開する会社です。

飲食事業とアミューズメント事業の2つの事業を展開しています。

飲食事業の主要ブランドは、Vampire Cafe、アリス、わらやき屋、九州熱中屋、鳥福、今井屋など。

2014-09-07-20-44-21


アミューズメント事業の主要ブランドは、バグース(BAGUS)、グランサイバーカフェなど。

2014-09-07-20-45-01


総店舗数は、飲食事業183店舗(国内176、海外7)、アミューズメント事業44店舗の合計227店舗(※2014年5月末時点)。

東証ジャスダック上場。時価総額約550億円。株価2,296円(9月12日終値)。PER18.53(※楽天証券より抜粋)。



次に、同社の特徴・強みに焦点を当ててみます。


<特徴・強み>

(1) 松村厚久社長
(2) 首都圏へのドミナント出店
(3) DDマイルによる集客及び顧客の囲い込み
(4) バグースを中心としたアミューズメント事業の展開
(5) 100店舗100業態(個店主義)からハイブリットマルチブランド企業へ
(6) 海外展開の強化
(7) 九州熱中屋(&ゴールデンマジックの山本勇太社長)


それではひとつずつ詳しく見ていきましょう。
※すでにご存じの方は読み飛ばしていただいてかまいません。



(1) 松村厚久社長

ダイヤモンドダイニングは、創業者の松村社長抜きでは成り立たない会社です。
松村社長あってのダイヤモンドダイニング

レックス・ホールディングス(※牛角、am/pm、成城石井等の持株会社。MBOにより上場廃止。)の創業者の西山氏、ゼットンの稲本社長、野郎ラーメンの林社長、APカンパニーの米山社長、元ライブドア社長の堀江氏など外食業界を中心に交遊関係が広く、新しい事業アイディアを考えるうえで彼らとの交流・刺激が役に立っているようです。

そのような交遊関係がきっかけとなり、約1年前には、よっちゃんことLiNK-UPの小田吉男社長と運命な出会いを果たします。(松村社長曰く、「よっちゃんとの出逢いは奇跡以外の何物でもない。」)

新しい風を入れて新業態の出店を続けるために、店舗のブランド強化などを手がけるプロデュースを創業以来初めて外部人材(=小田吉男氏)に依頼。これまでになかった斬新な切り口が生まれているとのことです。


松村社長のひととなりをブログで簡潔にまとめることは到底できないので、どのような人物なのか気になった方は、松村社長のツイッター、ブログ、インターネット上の各種インタビュー記事等を読んでみてください。

直接会ったことはないですが、同社の現在のスローガンである「熱狂宣言」に代表されるように、とてもとても熱い人物だと思います。



(2) 首都圏へのドミナント出店

首都圏ターミナル駅、メトロ主要駅近くの好立地へのドミナント出店を強みとしています。
山手線沿線内出店数は、居酒屋業界の上場企業の中ではNo.1の157店舗。実にダイヤモンドダイニンググループ全店舗の72%が首都圏にあります。

ドミナント出店することで、経営効率を高めています。



(3) DDマイルによる集客及び顧客の囲い込み

DDマイルとは、同社の販促戦略の核である予約者限定の高還元率ポイントシステムです。
(※詳細は、DDマイルの紹介ページを参照ください。→
http://www.diamond-dining.jp/ddmile/


2014-09-07-16-04-25

(※上記の画像は、同社の2015年2月期第1四半期決算説明資料より抜粋)


右肩上がりに会員数は増えていて、ついに先月にはDDマイル会員は10万人を突破


DDマイル会員は、ダイヤモンドダイニンググループの店舗を利用することでマイル(ポイント還元)を受けとることができるため、顧客の囲い込みにつながります

なお、DDマイルを貯めれば、1マイル=1円相当の店舗ご利用券(飲食券)として使用できるほかに、ハワイ旅行や液晶テレビなどの賞品と交換することも可能です。


首都圏ドミナント圏内でDDマイル会員を回遊、誘導することで、首都圏ドミナントとDDマイルがシナジー効果を発揮します。

また、DDマイルは、同社の「宴会コンシェルジュ」や「即飲みアプリ」サービス、その他さまざまな販促と連動しているため、今後の展開に広がりが期待できると同時に、独自開発のシステムのため同社の強みになりつつあるのかなと感じています。



(4) バグースを中心としたアミューズメント事業の展開

ダイヤモンドダイニングは、居酒屋を中心とした飲食事業だけではなく、ビリヤード・ダーツ・カラオケ・ネットカフェ・レストラン・シミュレーションゴルフなどのアミューズメント事業も行っています。

主要ブランドは、バグース(BAGUS)、グランサイバーカフェ。


アミューズメント事業は、売上高は6か月連続、客単価については同社が月次売上実績を開示した昨年3月から18か月連続で前年実績を上回るなど好調です。

好調な理由のひとつとして、上記(3)で書いたDDマイルを中心とした集客及び顧客の囲い込み戦略がうまく機能しているのではないかと考えられます。(たとえば、1次会はダイヤモンドダイニング運営の居酒屋、2次会はバグースへというふうに)



(5) 100店舗100業態(個店主義)からハイブリットマルチブランド企業へ

ダイヤモンドダイニングは外食企業初の100店舗100業態(個店主義)という偉業を達成したのちに、既存店売上高の減少が続き、一時的に業績が落ち込みました。

そこで、約2年前から100店舗100業態(個別主義)からハイブリットマルチブランド企業への転換を図ってきました。

ハイブリットマルチブランドとは、マルチコンセプト(個店の強み)とマルチブランド(チェーン店の強み)を融合させたもので、同社独自の戦略です。

また、中価格帯居酒屋、高級店、コンセプト系居酒屋、ダーツ・ビリヤード・カラオケ・インターネットカフェなど多様なブランドを保有することで、リスク分散と成長を両立させています。

ハイブリットマルチブランドでは、これまでの1業態1店舗ではなく、好調な業態については1業態で10店舗以上の出店を目指しています。


特に前期(2014年2月期)は、飲食事業で退店15店舗、業態変更41店舗という痛みを伴う大改革を行いました。(そのため、上場来初の減収決算と苦戦。)


しかし、前期までに膿をすべて出し切ることによって、今期(2015年2月期)は、大幅な業績回復が期待できる状況になってきました。

その証拠に、今期の第1四半期の売上高と利益は、上場来過去最高を更新したのです。

現在は、300業態で1,000店舗達成を目標に掲げて出店を加速しています。



(6) 海外展開の強化

今期から海外展開を強化しています。

アジア圏においては、今年4月にM&Aにより取得したシンガポールのラーメンダイニング6店舗を皮切りにシンガポール及び隣国への出店、さらなるM&Aによる海外積極展開を視野に入れています。

ちょうど今月9月1日から約1週間、松村社長自らがASEAN諸国をまわっており、新規に出店する予定の出店候補地などを探していたようです。(※ASEAN出張の様子は、松村社長のブログに書かれています。)


また、米国においては、ハワイ州への店舗展開の強化を図っています。

これまでM&Aにより獲得した1店舗を展開していましたが、今年の8月に、ホノルルのワイキキショッピングプラザにモダンメキシカン&スカイバー(店舗名:Buho Conina by Cantina)を新規出店しています。340坪(280席)の超大型店舗で、年商8億円が目標です。

今期中にもう1店舗(年商2.5億円の店舗)の出店が確定済みで、今期末に米国ハワイ州の合計店舗数は3店舗になる予定です。



(7) 九州熱中屋(&ゴールデンマジックの山本勇太社長)

「九州熱中屋」(以下、「熱中屋」とする)は、ダイヤモンドダイニングの100%子会社であるゴールデンマジックが首都圏で展開している九州料理居酒屋です。

ゴールデンマジックは、ダイヤモンドダイニングが2009年5月に串焼き居酒屋「三丁目の勇太」などを手がける子会社として設立しました。そして、設立と同時に社長に抜擢されたのが、同社のアルバイト出身だった山本勇太氏です。

アルバイトから社員を経て、若干30歳のときに子会社の社長に。

それから5年4か月が過ぎた現在、ゴールデンマジックは、「熱中屋」を中心に直営店舗69店舗、フランチャイズ店舗2店舗、ライセンス店舗6店舗の合計77店舗(※9月12日現在)を展開する会社にまで成長しました。
(※一昨日の9月12日には、萩原商事及びサンクスが運営中の九州料理居酒屋業態の「九州」・「九州藩」の合計8店舗の事業譲受が発表されました。ますます事業拡大が進みそうです。)


上記の経歴からわかるように、どうやら山本社長はデキる人なんですよ。

他にも2008年3月にダイヤモンドダイニングが買収した「サンプール」という会社を、わずか2か月で「赤字から黒字」に変えた実績があるなど居酒屋経営の実力は折り紙つきです。
(※山本社長のひととなりをブログで簡潔にまとめることは到底できないので、どのような人物なのか気になった方は、山本社長のツイッター、ブログ、インターネット上の各種インタビュー記事等を読んでみてください。)



そして、その山本勇太社長率いるゴールデンマジックの主力業態が、「熱中屋」

別名、チャゲアス(CHAGE&ASKA)居酒屋。
※なぜ、チャゲアス居酒屋なのかは、気になった方は”チャゲアス居酒屋”でググってみてください。ただし、例の事件があってからはチャゲアス色は薄められています。残念!!(笑)


2014-09-07-16-30-58

(※上記の画像は、同社の2015年2月期第1四半期決算説明資料より抜粋)


実は今、この熱中屋」が、ダイヤモンドダイニングの中で一番勢いがある成長業態です。

この「熱中屋」抜きにして、最近の、そして今後のダイヤモンドダイニングの成長を語ることはできません。



「今、日本で一番勢いがある居酒屋は?」

と、外食産業の関係者に質問すると、おそらく多くの方から「熱中屋」という答えが返ってくるでしょう!(爆)



「熱中屋」は、手作りを活かした商品力が強みの九州料理居酒屋です。

山本社長自らが直接仕入先をまわり、厳選された食材のみを使用し、メニュー化。
大分県豊後水道から仕入れて店内でさばいた活さばの刺身、店舗内で餡から手作りする博多一口鉄板餃子が人気です。


現在の店舗数は、直営店42店舗(直営店41店舗、FC店1店舗)。

平均客単価は約3,800円で月商600万円、1店舗当たりの店舗営業利益率は18~20%という高収益

居抜き出店を基本としていて、投資を2,000万円以下に抑えて2年以内で回収するというのが「熱中屋」のビジネスモデルです。


そして、店舗コンセプト、収益性の高さ、居抜きを使った投資回収の早さに魅力を感じた会社からFC契約の希望が殺到。

これまでダイヤモンドダイニングは他の業態を含めてFC展開は一度もしていなかったのですが、「熱中屋」で初めてFC契約を締結しました。

7月14日にフランチャイズ1号店を神奈川県にオープン。
FCにはすでに6社が加盟していて、これから順次出店が予定されています。


「熱中屋」は、今期(2015年2月期)は、直営であと7~8店舗、FCで9~10店舗の出店を計画。


ゴールデンマジックの山本勇太社長は、

「これから1年~1年半の間に関東1都3県での100店舗展開が最初の目標。その後は、立地的なリスクヘッジの意味を含めて、関西で数十店舗規模のドミナント出店を目指す。」

と語っています。

また、今後のFC展開については、

理念が共有されている数少ない加盟会社とたくさんの店を作っていきたい。『1社1店舗ずつで100社』ではなく、『1社10店舗ずつの10社』で拡げていける形が理想だ。居抜きを使った投資回収の早さも売りなので、そうした形で出店を加速してもらいたい。」

と語っています。


まずは、来年度中(2016年2月期中)の100店舗達成に向けて、出店の加速は確実です。


そして、店舗が増えることで、店舗で使う材料の仕入量増加によるボリュームディスカウントにより仕入価格(=原価)が下がり、さらに収益性が高まるでしょう。
(※100店舗100業態の個店主義のときは、この出店数増加によるボリュームディスカウントという外食チェーンのメリットを得ることができていなかった。)


なお、ダイヤモンドダイニングの飲食事業の店舗数は、5月末時点で183店舗のため、来年度中に「熱中屋」が100店舗を達成したときには、飲食事業の全店舗数に占める「熱中屋」の割合は約40%になります。

高収益の「熱中屋」の寄与度が上昇することで、来期(2016年2月期)のダイヤモンドダイニングの利益率が改善されることは確実です。


最後に、下記の今期の第2四半期~第4四半期の出店予定(※直営店のみ。FC店は含まない。)を見てください。

ダイヤモンドダイニングは数多くのブランドを抱えていますが、国内の飲食事業の出店予定の大半が「熱中屋」なんですよ。

「熱中屋」がいかに儲かる業態であるのかという証明になっていますね!!(笑)

2014-09-07-17-56-49

(※上記の画像は、同社の2015年2月期第1四半期決算説明資料より抜粋。標題が”2014年2月期”となっていますが、正しくは、”2015年2月期”です。会社の資料の表記自体が間違っています。)



※続きの「完結編」はこちら↓
http://cervorosso.blog.jp/archives/1009302005.html