不人気になるだろうと思っていた極楽湯の分析記事の第1四半期決算編で、過去最高となる5拍手をもらえる(※8月10日午前6時30分現在)という予想外の人気にビックリしている紅の鹿です。

こんなに極楽湯が人気があるとは思いませんでした。株主数は19,103人と多いので、単純に紅の鹿が極楽湯の人気を過小評価していただけかもしれませんね(汗)



それでは、昨日に書き始めた「極楽湯の株式は買いどきか否か!?」の記事の続きを書きます。

初めて当記事を目にされた方は、まずすぐ下にあるリンクをたどって過去記事を読まれることをおススメします。

※ブログ過去記事「極楽湯の株式は買いどきか否か!?(会社紹介編)」は、こちら↓
 http://cervorosso.blog.jp/archives/1007395355.html
※ブログ過去記事「極楽湯の株式は買いどきか否か!?(第1四半期決算編)」は、こちら↓
 http://cervorosso.blog.jp/archives/1007404199.html



〔Part3: 極楽湯上海1号店編〕


この章では、紅の鹿が、極楽湯の株式を保有するきっかけとなった極楽湯上海1号店について詳しく書きたいと思います。

極楽湯上海1号店の正式名称は、「極楽湯碧雲温泉館」(以下、碧雲温泉館とする)。
極楽湯の海外1号店として昨年2月に上海の浦東新区にオープンしました。


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  (※同社の2013年2月5日のIRニュースより写真を抜粋)


碧雲温泉館は、日本国内にある極楽湯とは異なる特徴がたくさんあります。

まずはそれらを箇条書きに羅列してみます。
(※紅の鹿が独自調査したものになるため誤っている内容が混ざっている可能性もあります。ご了承ください。)

・床面積は、日本国内店舗の約6倍と巨大
・家族連れが来やすい明るくて清潔な内装
・休憩スペースには床暖房を完備
・館内着で入れるサウナ、岩盤浴
・店内で日本の化粧品、肌着・下着、日用品(あぶらとり紙、爪切り等)、雑貨を販売している
・VIP会員制度、VIPルームがある
・ネイルサロンがある
・ヘアカット(理髪店・美容室)がある
・キッズゾーン(子供の遊び場)がある
・麻雀ルームがある
・パソコンコーナーがある
・ゲームセンターがある
・日本のプリクラがある
・全館Wi-Fi対応
・1万冊以上の漫画が読み放題
・送迎バスがある
・当初は日本人の利用者を30%と見込んでいたが、今は95%が中国人が利用している
・利用客の大半がF1層(20~34歳)の女性で、男性客が多い日本国内の店舗とは真逆の客層
・女性連れ、カップル、家族連れが多い
・同時在館数は1,200人で、日本よりも回転が遅く客単価が圧倒的に高い
・週末は3,000人近い集客。混雑時の入館待ち時間は3時間を超える
・平均客単価は3,000円(入館料2,000円+館内飲食・マッサージなど1,000円)
・平均滞在時間は5時間を超える
・利用客の6割は浦東新区在住で、車で10分圏内に住んでいる
・卓球大会、カルタ大会、パン食い競争、コーラの早飲み大会などの館内イベントを常時実施して好評を博している。
・日系企業とのタイアップ企画が好調で現在は予約待ち状態。化粧品ブランドの花王ソフィーナとタイアップ(※館内に広告を設置し、無料サンプリングを実施)をした際には、その商品の売上が上海市内の店舗で昨年対比180%増という輝かしい実績を記録。



日本国内の極楽湯とは少し色合い・印象が異なりますね。

上記の特徴から、

碧雲温泉館は、ただの風呂屋ではなく、温浴エンターテインメント施設と呼ぶことができるでしょう。
平均滞在時間が5時間を超えることから、1日を通して楽しめるテーマパークに分類できると思います。


そして、上記の特徴の中で特に興味深いものが「VIP会員制度」です。
ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、シルバーなどの会員ランクがあります。

例えば、VIP会員の最上位であるダイヤモンド会員になるためには、入会金5万元(=825,000円)を払う必要があります。(※1元=16.5円で換算)


825,000円ですよ!!
普通の温浴施設の会員に。

ちょっと日本では考えられないぼったくり価格ですね・・・(爆)

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  (※同社のホームページの会員登録のご案内より写真を抜粋)


VIP会員になれば、利用料金の割引に加えて、VIP会員専用の館内入口、エレベーター、館内衣、専用ロッカー、お風呂・リビング・ベッドを備えた個室などを利用できるなど、一般利用者との差別化が図られます。

中国人はVIP待遇を非常に好むので、VIP会員となる人もそこそこいるそうです。
※VIP会員が支払った入会金の入金額の残高はすでに2億円以上もあるそうです。この前受金で資金繰りに余裕が生まれるため、会社にとっては美味しい仕組みですね。


このように、日本の運営システムをただ中国に持っていくのではなく、中国の習慣・文化に適した運営システムを新たに築き上げていることが素晴らしいと思います。




それでは次に、中国極楽湯事業の四半期毎の売上高とセグメント損益の推移を見てみましょう。


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まだオープンしてから約1年という短い期間の数字ですが、売上高・セグメント損益ともに右肩上がとなっています。


2013年2月にオープンしてから9月までの7か月間は、売上が低迷し、セグメント損失(=赤字)になっていました。

店舗の認知度不足に加えて、そもそも中国人にとって入浴とは、身体の汗や汚れをシャワーで流すことです。日本のようにお湯に浸かってリラックスする習慣はありません。そのため、オープン当初は集客に苦戦を強いられたようです。

そのような中、日本の温浴文化であるお湯に浸かってリラックスする気持ち良さを伝え、また中国の文化・習慣や中国人の要望に合わせたサービス改善を地道に行ってきました。


すると、驚くべきことに去年の10~12月から売上高が急激に伸び始めました

極楽湯の業績は季節要因の影響を大きく受けると「第1四半期決算」編で書きましたが、10~12月は収益面で厳しい時期に当たります。

では、なぜそのような厳しい時期に売上が急激に伸びたのでしょうか。



その理由は、現地口コミサイトの影響です。

上海市のレジャー・商業施設約20,000施設における来店者等の感想や投票でランキングが決まる現地の人気口コミサイト「大众点评网(http://www.dianping.com/)」にて、昨年10月21日に堂々の第1位を獲得したのです。

なお、リアルタイムランキングはこちらで確認できます↓
http://www.dianping.com/shoplist/hot_1_30

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※8月9日現在のランキングは上記のとおり第7位ですが、評点は上位8位までの中では最高の星5つと最高評価です。口コミの内容を翻訳機能を使って読んでみましたが、好意的な感想が多かったですね。ちなみに第1位、第2位はこの時期(夏場)に人気のプール施設です。季節によってやや有利不利があるランキングだと思います。



この口コミの高評価により、昨年10月以降に碧雲温泉館を訪れる人が一気に増え、売上が大幅に伸び、セグメント損益も黒字に転換しました。

そして、その勢いのまま1~3月には、売上高591百万円(前年同期比400.0%増)、セグメント損益182百万円という素晴らしい数字を計上するに至っています。




ここからは、紅の鹿の独自の推測になりますが、碧雲温泉館の当期の通期売上高と営業利益(=セグメント利益から調整額(全社費用)を控除した利益)を推定してみます。
(※あくまでも紅の鹿独自の予想のため正確な数字ではありません。ご了承ください。)


その前に、各セグメントに配分していない調整額(全社費用)(※第1四半期の場合は▲45百万円)を日本事業と中国事業にどの程度の割合で按分するか決める必要があります。

なお、各セグメントに配分していない調整額(全社費用)は、前期では▲196百万円であることからも、第1四半期あたり約▲50百万円(≒196÷4)であると考えて正しいでしょう。

日本の極楽湯事業の方が店舗数が多いことから、一般管理費である全社費用の割合が高くなると考えられるので、▲50百万円のうち、日本極楽事業が8割負担の▲40百万円、中国極楽事業が2割負担の▲10百万円と仮定します。

また、中国の祝日(春節、清明節、労働節、国慶節など)などの家族や人が集まる機会、学生の夏休み・冬休み(※中国の学校は2学期制)、天候及び気温等の季節的な収益の変動を考慮に入れています。


・第1四半期(1~3月)※確定値
 売上高591、営業利益172(=セグメント収益182-全社費用10)

・第2四半期(4~6月)予想
 売上高410、営業利益45(=セグメント収益55-全社費用10)

・第3四半期(7~9月)予想
 売上高550、営業利益140(=セグメント収益150-全社費用10)

・第4四半期(10~12月)予想
 売上高480、営業利益70(=セグメント収益80-全社費用10)

⇒合計すると、通期売上高(推定)2,031百万円、営業利益(推定)427百万円になります。
 (※ちなみに、当期の会社の通期業績予想は、売上高12,120百万円、営業利益230百万円)
 (※四季報予想は、売上高11,500百万円、営業利益130百万円)


そして特筆すべきことは、この中国極楽湯事業の収益は、碧雲温泉館1店舗だけで稼いだということです

なお、1号店はオープンして約1年でまだまだ発展途上のため、収益の底上げの余地はあるとみていて、来期には営業利益500百万円程度は稼げるようになるのではないかと考えています。




ところで、1号店の開業当初から市西部への出店を希望する声が数多くあり、現在、来年(2015年)春の開業に向けて1号店(上海市東部の浦東新区)と同規模の上海2号店(上海市西部の普陀区)の準備が進められています。

1号店の人気を考慮すれば、2号店も1号店と同水準の売上・利益を稼ぐことはほぼ確実でしょう。

2号店の新規立ち上げ費用が一時的に先行発生しますが、新規立ち上げ費用の計上が終わり、通期で業績に寄与するときになれば、1号店と2号店の2店舗で営業利益1,000百万円を稼げる可能性も。

一層の業績拡大が期待できそうですね。




さらに、極楽湯は、今年の5月に湾の投資会社ハーベスト・プレミア・インベストメント・コーポレーション(HPIC)と業務資本提携を締結しました。
(※HPIC社は極楽湯の株式を20%まで追加取得し筆頭株主に)

今後、HPIC社の幅広いネットワークを使い、中国での温浴事業の積極展開に向けた店舗開発、マーケティング、事業資金の提供・調達などで協業します。

今回の提携により、すでに出店している上海に続き、中国全土で直営店及びフランチャイズ店等の形態で温浴事業展開を推進することが決まり、多店舗展開に期待がもてる状況になってきています。

中国3号店の立ち上げ準備開始の発表もそう遠くはないかもしれませんね。


※続きの「国内極楽湯編」はこちら↓
http://cervorosso.blog.jp/archives/1007437427.html