バリュー投資家にもグロース投資家にも不人気であろう極楽湯の分析記事をほぼ自己満足のために書いている紅の鹿です(爆)

そのような中、心優しき一人の方が、「続きが気になる」というような内容のコメントをくださったので、俄然モチベーションがアップしてきました(笑) また、どなたかが1拍手してくれましたしね。



さて、前置きはこのくらいにして早速、「極楽湯の株式は買いどきか否か!?」の記事の続きに移りましょう。

初めて当記事を目にされた方は、まずすぐ下にあるリンクをたどって過去記事を読まれることをおススメします。

※ブログ過去記事「極楽湯の株式は買いどきか否か!?(会社紹介編)」は、こちら↓
 http://cervorosso.blog.jp/archives/1007395355.html



〔Part2: 第1四半期決算編〕


はじめに、会社紹介編の宿題の回答から。

(質問)
先月30日に発表された極楽湯の第1四半期決算は、ダメな決算だったのか、それとも良い決算だったのか。

(回答)
過去5年間では、(営業利益は)一番良い数字です。売上高は上場来過去最高を記録。
よって、良い決算です。



半信半疑の方がいらっしゃるかもしれませんので、下記の直近5年間の決算短信の数字を使って四半期毎の売上・利益の推移をまとめた表を見ていただければ一目瞭然です。
※下記の表をクリックすると大きく表示されて見やすくなります。それでも少し見ずらいかも・・・


極楽湯推移


(※紅の鹿のお気に入り株式投資ブログ「エナフンさんの梨の木」の7月28日のブログ記事「分からない部分は仮の数字を入れて考える」を、今回の表作りの参考にさせていただきました。)


第1四半期(4~6月)の売上高は、上場来過去最高を記録しました。
そして、2007年から毎年赤字であった第1四半期(4~6月)の営業利益が7年ぶりに黒字になったのです。
(なお、前回第1四半期の営業利益が黒字だった2006年は、極楽湯が通期業績で最高益を達成した年で、現時点での過去最高益です。)


よって、今回の第1四半期決算は良い決算であると言っても過言ではないでしょう。



極楽湯の業績は、お盆や年末年始の休暇等の家族や人が集まる機会、学生の夏休み、天候及び気温等に影響される傾向があり、季節的な変動があります。

第1四半期(4~6月)は、上記の季節的要因から他の四半期と比べて一番収益が厳しい時期です。

また、上記の表から、極楽湯の業績は、第4四半期(1~3月)が一番良く、その次に第2四半期(7~9月)が良いと分かります。

よって、第1四半期決算発表時点で通期に対する進捗率が悪いからとダメだと決めつけるのは同社の業績を見誤ってしまいます。(季節的な変動を受けにくい外食チェーンとは異なる点ですね。)



次に、当期の第1四半期決算の数字が良くなった理由を探ってみましょう。

(※以後、黄色の蛍光ペンを塗っている箇所は、同社の第1四半期決算短信からの抜粋になります。ご留意ください。)


・消費増税に伴う駆け込み需要の反動や来店客数の減少により既存店の売上高は減少したものの、新店(水戸店)がオープンしたことにより売上高は微増となりました。また、セグメント損失(営業損失)は、来店客数の減少をお客様単価の上昇や付帯サービス利用でカバーするまでに至らなかったことに加え、前年同期に比べ水道光熱費が上昇したことや新店の出店費用を計上したこともあり128百万円のセグメント損失となりました。


客数は減り、水道光熱費は上がり、新店出店費用を補うこともできずに収益が悪化する・・・

まったく良いところがなかった、というような文章ですね(苦笑) 
これは会社発表の文章だから正しいんですよ。日本国内の極楽湯の業績は低迷しています。


それではなぜ日本の極楽湯の業績が低迷しているのにも関わらず、第1四半期決算の数字は良かったのでしょうか。

その答えは次の文章を読んでいただければ理解していただけるでしょう。


・中国における業績も国内と同様に季節的変動があり、第1四半期(1~3月)は通期でみると業績は比較的好調な時期と言えます。また、特に春節(旧正月)期間の業績が好調であったことに加え、収益計上期間が3ヶ月(前年同期は約2ヶ月)とフルに寄与したため、売上、利益ともに大幅に改善しました。


実は、中国に1店舗だけある極楽湯の上海1号店(※極楽湯碧雲温泉館)の業績が絶好調なのです。
これが好調な第1四半期決算を叩き出した要因です。

※中国事業の業績は3ヶ月遅れの計上となっています。第1四半期決算(4~6月)に反映されている中国事業の業績は1~3月の3か月分です。ご留意ください。


どのくらい中国事業が伸びたのかは、前期と当期のセグメント情報を見比べたらよくわかります。
※下記の表をクリックすると大きく表示されて見やすくなります。

(前期)

2014-08-03-16-54-58


(当期)

2014-08-03-16-56-08



まずは売上高

日本の極楽湯事業の売上高は2,206百万円(前年同期比0.3%増)で、ほぼです。

その一方、中国の極楽湯事業の売上高は591百万円(前年同期比400.0%増)となり、約5倍になりました。

極楽湯上海1号店のオープン日が前年の2月6日だったため、前期は2か月間のみの収益計上で、当期は1~3月の3か月間の収益計上という要因もありますが、それにしてもこの伸びは凄まじいです。



次に、セグメント損益

日本の極楽湯事業のセグメント損益は▲128百万円(前年同期11百万円)で、赤字に転落しています。

赤字に転落した原因は明白で、4月2日に新規オープンした極楽湯水戸店の出店費用によるものですね。加えて8月13日に新規オープンする新業態「RAKU SPA」鶴見店の立ち上げ費用も一部含まれているでしょう。

売上がほぼ横ばいだったので、新店の出店費用がなければ前期と同様の10百万円程度のセグメント利益は稼げたはずです。よって今回の赤字を心配する必要はありません。

その一方、中国の極楽湯事業のセグメント損益は182百万円となり、前期の赤字から一転して黒字化しました。
注目してほしいところは利益率の高さです。
セグメント利益率は30.8%と驚くべき高収益となっています。
※通期で一番収益を稼ぎやすい時期(1~3月)のセグメント収益であるため、他の四半期はこれよりは収益が落ち込むことに注意が必要です。



さて、ここまで第1四半期決算の具体的な数字を細かくみてきましたが、中国の極楽湯事業の好調さを少しは理解していただけたのではないでしょうか。


実は、極楽湯の株式を保有する決め手となったのが、

中国の極楽湯事業の成長力です。

※日本国内の極楽湯事業(特に8月13日に新規オープンする新業態「RAKU SPA」鶴見店、観光地への初出店となるリゾート型の高尾山口駅前温浴施設)にも少しだけ期待してはいますが・・


それでは次に、中国の極楽湯事業に焦点を当ててもう少し詳しく見ていきましょう。


※続きの「極楽湯上海1号店編」はこちら↓
http://cervorosso.blog.jp/archives/1007422044.html